夜中のドライブ | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

仕事が終わらなくて、ヤバそうだから休出申請しておけば良かったか…。そんなことをつい考えてしまいます。

 

こんな考えが頭をよぎること自体、「あたおか」と言わざるを得ないんですよね。そうやって過去に体を壊した経験があるのに、まだ懲りていないとは…。多分、私の頭の中に「やり遂げる」という強い強迫観念があるのでしょうね。困ったなぁ~。

 

とりあえず、「終わらんものは終わらんっ!」と自分に言い聞かせて仕事は終いました。会社 PC の電源を落として、今度は自 PC の電源を入れます。

 

一通り、いつも見て回るサイトを巡回したところで、一旦お風呂に入ることにしました。座り仕事は座り仕事なりに、腰と肩に“来ます”よね~。湯舟に浸かって温まると、やっと一息つけた…という感じになります。

 

お風呂から出て、ちょっとだけ夕食時の食器の洗い物をして、また自室に戻り、点けっぱなしでスリープモードに入っていた PC の画面を再表示させました。

 

追加された世の中のニュースをチラ見してから、スパムやフィッシングだらけのメールボックスを覗いて、不要メールをゴミ箱へ。1 日に 10 件以上こんな迷惑メールが送られてくるのですが、多分、通販で使ったメールアドレスから漏れたのだと思うのです。

 

さて、そんなことをしている矢先、急に右足がムズムズとした痒みに襲われました。とりあえず、一通り皮膚を確認したのですが特に虫に刺されたような跡はなく、また、発疹のようなものもありませんでした。それなのに、何だか足の痒みが止まりません。かゆみ止めを塗りたくても、場所が特定できないので塗ることもできないし、少しイライラしていました。

 

虫刺されや発疹がないとすると、慢性腎臓病で透析していた叔父が言っていた「ムズムズ病」か? と一瞬嫌な予感が頭をよぎりました。

 

 

このところの仕事のストレスもあるし、座り仕事での足も浮腫むくらいだし、どこか異常があってもおかしくはないのですが、それにしても「痒み」というのは我慢できないから困ります。一般的に冷やせば良いようですが、「この辺り」という場所は何となくあるのですが、先ほど書いた通り場所の特定が難しいのです。

 

ストレスや神経系であれば、少し動くことで解消できるかも知れないと思い、思いついたのは散歩も兼ねてドライブに出かける事でした。

 

親父が生きている頃、夜に何度か目的もなく (まぁ、それはウソですね…、酒飲みだった親父は酒が切れたから夜買いに行くという理由だったはず)、車でその辺を走った記憶があります。今出かけようと思った背景には、そんな記憶があったからかも知れません。

 

今日は夜も比較的気温が下がらず、しかも湿気も結構あります。体を動かすとジンワリと汗が染み出てくる感じです。とりあえず、普段着に着替え、念のため財布の入ったバッグを持って家の外へ出ました。

 

秋らしく虫の音が聞こえてきていますが、住宅街にある自宅の周辺はもちろん静かです。時計を見ると時刻は 2:30 を回ったところでした。

 

とりあえず、いつもならスクーターで移動している道をトコトコと歩きます。ウォーキングシューズで夜の闇の中、街灯の明かりで点々と道が見えているアスファルトを蹴り進んでいると、先ほどの足の痒みは殆ど感じなくなりました。

 

車の置いてあるお袋の実家まで、それなりに距離があります。体を動かしているせいで、やはり汗がジンワリと滲んできます。運動不足のせいもあり、10 分くらい歩いただけで結構息切れしました。駐車場はもう少し先です。

 

田舎の夜道ですから、街灯が連続してない場所もあります。裏道ということもあり、交差点の信号は点滅状態でした。そういえば、深夜残業していた頃の帰り道は常にこんなだったりしたな…。

 

駐車場に着いて、静かにエンジンを掛けます。多分 2 週間くらい乗っていなかったのでバッテリーがヘタっていないか少し心配ですが、まぁ、2 ~ 3 カ月後に今年は車検があるので、その時に点検してもらいましょう。

 

ライトを点けて、夜の街へ。エアコンは使わず、窓を全開にして、深夜の空気を取り込みます。まだ、夏の熱気冷めやらぬ生暖かい風ですが、それでも歩いて熱くなった体を少しだけ冷やすのに役立ってくれてはいます。

 

国道を走っているのですが、車はまばら。フロントガラスの向こうには、雲の切れ間から星が幾つか見えています。看板に反射するライトが眩しい…。

 

ふと車のダッシュボードの中央に青いライトを模したインジケーターが点灯しているのに気づきました。あまり見たことなかったのですが、車のヘッドライトを対向車の有無で自動的に切り替える機能のインジケーターのようでした。走りながら見ていると確かに対向車の居ない場所ではインジケータが点灯し、車の多い場所ではインジケータが消灯しています。

 
夜、車を運転することは勿論ありますが、大抵車通りがある時間帯なので、この機能が実際に動いているのを見るのは多分初めてです。
 
夜の運転の心配事は、(1)見え辛いので事故を起こさないか、(2)他の車に煽られないか、ということです。勿論運転に気を付けるのと、特に後者は「運」でしょうか。事故らない大通りを走ることにしましたが、そうすると余計に他の車に煽られる気もします。
 
国道を走っていましたが、とりあえず前後に殆ど車の姿はなく、自分が決めた車速でぐるっと街の周りを回って帰ってこれました。夜道は本当に静かで、あと窓から昼間は中々気づけない、周りの色々な匂いを感じることができました。海沿いの道も走ったのですが、何故か潮の香りはしませんでした。夜だからなのかもしれません…。
 
駐車場へ戻ってきて、また帰り道を歩きます。空は曇り空で、残念ながら晩夏の星空を楽しむことはできませんでした。
 
家について、一応、薬用ボディータオルで体を一通り拭いて、少し扇風機に吹かれていると、やっと足の痒みを忘れるほど眠くなってきました。電気を消して、真っ暗な天井を見ているうちに、いつの間にか眠りの底に沈んでいたようです。