帰路と夜の公園 | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

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私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

会社を定時に上がった。今日はテレワークではなく出社したので、帰りのバスがなくなる前に帰ることにした。

 

仕事は何とか定時で終わり、そそくさと片付けをしてデイバッグを背負って会社を出る。「お先に失礼しますっ!」

 

思い返せば一昔前は、こんな辺りが明るい時間に帰れるなんて殆どなかった。先日のブログ日記の題名ではないが“今は昔”だ。

 

駅で電車を待つ。少し離れると電光掲示板の文字が霞んで見えない。目が悪くなってきた自覚はあったが、やはり外へ出ると結構困ることに驚いた。

 

10分ほど待つと電車がホームへ颯爽と滑り込んでくる。ドアが開くのを待ち、降車してくる人たちが途切れたので電車に乗り込む。

 

帰りの電車内ではいつものように立っている。今まで席が空いているからと座ってウトウトしてしまい、何度寝過ごしたことか…。とりあえず、デイバッグに入れているタブレットでマンガを読むことにした。

 

いつも通りの路線を、いつも通り揺られて帰路を進む。ふと、今日は夕飯はどうしようかと悩む。帰りに途中のスーパーで何か買って帰ろうか。

 

地元の駅に着く。家へ向かうには、1度バスに乗り、途中のバスターミナルで乗り換えなければならない。まずは駅からバスターミナルまで行くバスの時刻を確認する。次のバスは 35 分後…。駅のパン屋でコーヒー啜りながらイートインしようか、このまま待って計画通りにスーパーに寄ろうか迷う。

 

すると、駅の停留所にバスがやって来た。あら? そうか、前のバスがほんの少し遅れているのか…時間通りなら丁度出たところだったので間に合わないと思っていた。

 

とりあえず急いでバスへ乗り込む。一緒に乗ったのは中年の女性の方が一人。一人掛けの席に座ってデイバッグから財布を取り出そうとしたら傘を床に落としカツンッと大きな音を立ててしまった。急いで傘を拾い上げる。

 

たまにバスに乗ると運賃が分からず、載っている間ずっと運賃表を注視していた。

 

夜の街をバスが行く。殆ど乗り込んでくる人は居ない。一緒に乗った女性の方も途中で降り、あとはバスターミナルまで運転手と自分以外乗っていないバスが暗くなった夜道を走る。

 

バスターミナルに着いて、降車する。待合室に置かれた液晶TV型の時刻表を見ると、家近くのバス停に止まる路線バスはまたもや 35 分後。時間が少しあるのでスーパーに寄って帰ることにする。これは当初の計画通りだ。

 

スーパーへ向かう道すがら、公園近くの細道を通る。夜の公園は物静かで虫のかすかな声だけが聞こえている。雨上がりということもあるのだろうか、青臭い草の匂いが浮遊していた。所々に設置された街灯が幾何学的な姿をした遊具を照らしている。誰も居ない公園。夜の公園は不気味と言うよりも何か犯罪でも起きそうな雰囲気があるのが嫌だ。

 

公園を抜け少し歩くと目的のスーパーがあった。暗闇にひと際店舗が輝いて見える。虫と同じ習性ではないが、夜にこれだけ明るい場所があるとちょっと覗いて行こうと思うのは明かりの眩しさと暖かさに、安心感を感じるかも知れない。

 

先日病院で LDL コレステロールの注意を受けたばかりなので、夕食はパックのお寿司 (タイムセール品) と、麻婆豆腐を買った。麻婆は中華で油も結構使っているが、少しピリッとしたものも食べたくなった。麻婆豆腐は、冷蔵庫に入れておき食べるのは明日の夜になってしまいそうだが。

 
そういえば、今朝はバス停で酷い目に合った。事前に時間を確認していかなかったのが悪いのだが、いつもの時間に (予定の 15 分前から)  バス停でバスを待っていたのだが、全然バスがやって来る気配がない。朝は大雨だったので、乗降車に時間が掛かっており遅れているのかとも思っていた。
 
ふと、バス停にある時刻表を見ると、6 時台のバスは 1 本だけ。しかもいつもの時間より 10 分遅い時間にシフトしていた。
 
結局その時間より 5 分遅れでバスがやってきたのだが、今度は乗り換えるバスターミナルでの次のバス待ちが 30 分…。いや、これ絶対定時に間に合わない。
 
仕方ないので、そこから少し離れた場所にあるローカル線の電車に乗ることにした。雨の中を急いで歩く。
 
駅にたどり着き券売機を探したのだが…ないじゃん…。そうか! 窓口で買うのか…と気づき、JR 駅までの切符を買う。すると、すぐに電車が到着。行き先を見ると自分が乗るべき電車であることがわかり急いで乗車した。
 
車内は通学・通勤の人たちが思ったより多く乗っていた。ふぅ…、これで何とか会社には間に合いそうだ。
 
…とまぁ、最近ずっとテレワークだったこともあって春のダイヤ改正をまったく考慮していなかった。それにしても、バス…ニュースでよく耳にした通り本当に本数が減っている。まぁ、たぶんあの乗車率じゃ維持するのが難しいよな…と思わざるを得ない。
 
自分達が老齢になって、スクーターや車が運転できなくなった時、本当に移動手段がなくなってしまう現実を少しずつではあるが肌身に感じるようになった。国はライドシェアを進めようとしているようだが、どうなってゆくのだろうか…。