昔読んだ『ドラえもん』の話の中に「眠れぬ夜に砂男」という話があった。砂男に砂を掛けてもらうと眠くなるそうな。
私は学生の頃から良く寝ていた。昼寝も大好きだし、学校が休みの土日は、それはもう一日中寝ていることもあった。
最近は“夜更かし人間”になってしまったが、持病の喘息が酷い時以外、寝付けないことはそれほど多くはない。眠れないな…、と思った時でも、音楽を聞いたりしているうちに眠ってしまうことが多い。
昨今眠れない時に聞いた曲が Uru さんの『紙一重』だ。ちょっと前まで TV で放映していたマンガ原作のアニメ『地獄楽』のエンディングテーマだったのを覚えている。
そういえば、Uru さんの歌を初めて聞いたのは、これもアニメなのだけれど、多分『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のエンディングテーマ『フリージア』だと思う。
ただ、この頃はアーティストとしての Uru さんを知らなかった。単に静かな曲調のエンディングだなと思っていた。
名前を知ったのは、これもまたまたアニメなのだが、映画『劇場版 夏目友人帳〜うつせみに結ぶ〜』のテーマ曲『remenber』を聞いた時だった。映画そのものを見に行って意識したのではなく、CM だったか YouTube の映画特報 (予告) で聞いたはずだ。初めて聞いた時、サビが良かったので、この曲いったい誰が歌っているのだろうと思いネットで検索した。
その後、TV CM でよく聞いたのがドラマ『テセウスの船』の『あなたがいることで』。系列局が、次回予告の CM を何度も流すのでサビの部分が頭から離れなくなった。
ドラマの (CM の影響) は大きいのか、毎週見ていたわけではない『マイファミリー』の『それを愛と呼ぶなら』も CM の影響で耳に残っている。
この曲、バイト先の店でずっと流れてたんだよね。多分、コンポ (今もまだあるんだっけ? コンポーネントステレオの略) を視聴する時に掛ける CD に入っていたんだけど、デモ用に掛けっぱなしだったような気がする。
暑い夏の日、店内は冷房でキンキンに冷えていて、でも倉庫は結構暑かったのを覚えている。お客様の注文の品を倉庫に取りに行く時、倉庫のシャッター越しに入道雲が映える真っ青な夏の空が見えていた。ふわりと熱い空気が体を包み、暑さでジンワリと額に汗が滲んでいた。よいしょと製品の入った段ボールを持ち直して店内に戻った。
倉庫はオーディオコーナーから近かったので、見上げた青空と共に耳にはこの曲が聞こえてきていた。あぁ、学生でまだ若かったあの頃。中年や老年なんてまだまだずっと先で、人生はなんて長いんだろうと思っていた頃だ。そんな学生の頃の記憶の 1 ページが思い出されるのだ。
今やオッサンになって、あぁ、何て人生は短いんだなんて思ったりする。まぁ、そんなもんだよな。