出会いと別れの交差点 | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

春がやってきます。3月も20日を過ぎれば「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、暖かな日差しが眩しい季節へと季節は移ろって行くでしょう。絶えず繰り返される四季の移り変わりは人生の終点 (ゴール) を目指す旅でもあります。

 

学生時代でも、社会人になっても、4月は「年度」の切れ目であり、そこには出会いも別れもあります。人同士の繋がりもありますが、組織や仕事、習慣・慣習に至るまであらゆる「出会い」と「別れ(分かれ)」がここにあるのかも知れませんね。

 

鳥山明さんやTARAKOさんが他界したというニュースがここ数日でまとまって飛び込んできました。令和4年度の厚生労働省発表の「簡易生命表」によると、男性の平均寿命は 81.05 年、女性は 87.09 年だそうです。お二人とも、まだお若い…平均寿命前に鬼籍に入られてしまいました。

 

 

年齢のことを思えば、私は現役で働く社会人 (オッサン) ですが、退職年齢がそれほど遠くない所まで差し迫っています。マラソンで言えば、ゴールが見えてきた時点で、既に息切れ状態で、ふらふらしながらも何とか足を止めずに走り続けている状況です。
 
何かを成そうとかそういう気持ちは全くなく「ごく普通の生涯を送ること」が私の希望なのです。思えば、私が考える「普通」には到底及ばない生活をしてきました。今人生を振り返る場面ではありませんが、それでも後ろを振り向くと幸せだったのか不幸だったのかが良くわからない状況です。それでも、理想とする「普通」はやはり達成できていないことは現時点で事実となっています。
 
「普通」って何だろう? 普通や凡庸の捉え方は人それぞれ違うのだと思います。自分の今までの人生に 100 点満点 (自分が理想とする普通に対して) で評価をするなら何点か? と聞かれたら 65 点くらいかと思っています。
 
「別れ」と言えば、昔からよく別れの席で酒を勧めますね。私はお酒は進んでは飲まないので、まったく嬉しくないのですが、世の中お酒が好きな方々はしみじみと感じながら酒を飲み交わすのでしょう。
 
以前もこのブログで書いたのかも知れませんが、別れる知人を思う時、教科書に載っていたこの詩 (漢詩) 『元二の安西に使いするを送る』を思い出します。
「さあ、飲んでくれこの一杯の酒を、西方の陽関を出てしまえば親しい友人はもう居ないだろうから」という文がとても良い感じですね。ちなみに、この詩は暗記しています。(笑)
 
あとは、「さよならだけが人生だ」(井伏鱒二の訳) で有名な、 于武陵の『勧酒』ですかね。

 

まさに「酒を飲んでくれ」という題名通り。別れの席には酒が似合います。

 

…と、そんな風に別れがあり、また新しい人や組織や出来事との出会いがあるのでしょう。人生というシナリオはまだまだ終わりませんね。それが悲劇でも喜劇でも、自分と言う役回りを演じ続けるしかありません。(う~ん、押井守の『とどのつまり』みたいな話になってしまった…)

 

まぁ、そんな交差点のある季節がやってきますので、皆様くれぐれも人生安全運転で。ニヤリ