もうすぐ夏がやってくる | お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

お日様母さん ― 晴れのち曇りそして雨 ― がんとの闘い

私の母親が突然「がん」と診断された。「がん」と闘い、一生懸命に生きた母と後悔ばかりの子の闘病生活を綴る。そして、2018年ついに私自身にも「がん」との診断が…。

天気予報通り、週末にかけて天気が崩れるとの予報通り、今日は曇り空だ。時折陽の光が差すこともあるが、基本的に頭上は雲に覆われている。

 

週明けからの会社に備え、少し早起きするはずだったのだが、起きたのは10時過ぎ。のっそりと起き上がると、ハラリと前髪が目の前を覆った。すこし髪が伸び過ぎだ。着替えをして、洗面台の鏡を見る。………。仕方ない、今日営業していたら床屋へ行こう。

 

朝食も摂らぬまま、いつも行っている床屋へ電話をかける。少しして電話がつながった。今日、営業しているかと、今日・明日の空き具合を聞いてみると、今日は営業しており、この後すぐできるとのこと。「ではこの後お伺いします」と返事をして電話を切った。耳にも髪の毛が掛かってすこし痒い。もうすぐ夏なので、さっぱりと切ってもらおう。

 

出かける支度をしていると、サッシの窓をバタバタと叩く風の音。今日は少し風が強いようだ。とりあえず、財布の入ったバッグを持ってスクーターで出かける。陽が出ていないのですこし暗い感じがするが、まだ雨は降らないだろう。スクーターだし、雨に降られてはたまったものではない。

 

十数分スクーターを走らせて床屋へ到着。入口を入ると前のお客さんが終わってくつろいでいた。「どうぞ」と店主が私に着席を促す。私は指定された席に座りマスクを外した。

 

「9連休ですか?」と店主。私は「ええ。システムの更改などの作業は休日に行うことが多いのですが、今回は待機がなかったんですよ。なので家でのんびりしています」と答えた。店主は「へぇ~そうですか、良かったですね」と言いながら、散髪のための支度を始めた。

 

「いつも通り耳は出してアイビーで、前髪は眉に掛かるくらい?」と聞かれたので、「はい、基本はそれで。前髪は眉より上で、サッパリとお願いします」と答えた。店主は「もうすぐ夏ですものね」と反応しながら、髪全体にスプレーを始めた。

 

鏡の脇に置かれたTVを見ながら店主と色々な話をする。TV画面には由比のサクラエビを提供する店が映し出されていた。サクラエビのかき揚げ、実に美味そうだ。朝食も摂っていないから、口の中に唾液が広がる。レポーターによると二時間待ちだそうで、私は心の中で「いやそこまで並んで待って食べたいとは思わないな私は…」と無言で呟いた。

 

「もうすぐお昼ですね」と店主が呟く。私は「帰りに近所のドラッグストアで何か買って帰ります」と答えた。散髪が終わって、代金を支払い、またスクーターに乗り、ドラッグストア方面へ移動する。

 

風は暖かい。陽が当たると、多分暑くなるだろうからこれくらいでいいのかもなどと考えながらアクセルを入れる。空は出かけた時よりも雲に厚さが増したような気がする。やはり予想通り雨が降るのだろうが、予想より早いかもしれない。

 

ドラッグストアに寄って買い物をして、帰る。明日で連休も終わりだ。多分、同じようにのんびりと過ごすのだろうが、雨だと気持ちも重くなりそうだ。それでも時は進み、季節は巡る。もうすぐ夏がやってくるのだ。