Clark Amplification 1999年製 Belmont 6L6 Stack Set
Clark Amplification 1999年製 Belmont 6L6 Amp Stack Set
Tweed AmpのレプリカやエフェクターのGainsterで有名なClark Amplificationの珍しいモデルが入荷致しました。
アメリカ本国で著名なTweed Fender レプリカのメーカーは数社あり、Victoria, Kendrick, Pierson, などと並び、今回入荷したClark Amplificationも名を連ねます。
日本国内ではそれほど知名度はなく、むしろエフェクターのGainsterが有名なためエフェクターメーカーという認識のほうが強い方が多いかもしれません。
そんなClark AmplificationのTweed Ampの中でも、今回入荷した個体は他では類を見ない珍しいタイプです。
まずTweed AmpなのにHeadタイプという点。
オリジナルのVintage Fender Tweed AmpにはHeadタイプのアンプはございませんのでClark独自のオリジナル商品です。
次にシャーシ自体は5E3 Tweed Deluxeのシャーシですが、6L6仕様のアンプになっている点。
通常の5E3 Tweed Deluxeであれば、6V6仕様の20W程のアンプですが、この個体は6L6仕様の50W程のアンプになっております。
当然6L6のために大きめの電源トランス+出力トランスが使用され、5E3には使われていないChokeトランスも使用されています。
回路面でも5E3とは異なり、バイアス方式はFixed Bias(5E3はCathode Bias)を採用し、プリ回路もNormalとBrightチャンネルでは大きく係数の異るコンデンサー&カソード回路となっているため、サウンドの幅が大きくなっています。
いろいろ調べてみましたが、この個体と同じ仕様のアンプの情報が出てこないことから実験的な一台だった可能性が高いです。
Belmontというモデル名についても、現在のClark AmplificationではBlack Face期のモデルに使われている名前のようです。
それでは細かく見ていきましょう。
ヘッドトップです。横幅はTweed Deluxe 5E3と同じです。
ブランドロゴのプレートです。[ CLARK AMPLIFICATION ]
アンプ上部の画像です。コントロールレイアウトは5E3 Tweed Deluxeと同じです。
コントロールパネルの左側です。通常ならグラウンドスイッチの場所がスタンバイスイッチとなっております。
コントロールパネルの右側です。5E3と同じです。
背面の画像です。キャビネットの横幅は5E3 Tweed Deluxeと同じサイズです
ヘッドの背面部の画像です。
バックパネルを外した画像です。6V6を見慣れていると6L6GCの大きさにギョッとなります。
シャーシ内部の左側です。バイアス回路や電解コンデンサーが確認できます。ワールドスタンダードのSprague Atomです。
シャーシ内部の右側の画像です。カップリングコンデンサーはオレンジドロップと黄色いフィルムコンデンサーです。
シャーシを取り出したキャビネット内の画像です。
キャビネット内に貼られたラベルです。1999年製ということが分かります。
キャビネット内にスタンプされたシリアルナンバーと製造年月日です。74台目ということが分かります。
取り出したシャーシの画像です。通常の5E3に比べるとトランスが大きいのが分かります。
電源トランスの画像です。Clarkの素晴らしい点は、Callaham Ampでも使用しているトランスメーカーと同じトランスを使用していることで、強いこだわりを感じます。
アウトプットトランスの画像です。Callaham Ampと同じメーカーのトランスが使用されています。
チョークトランスです。
スピーカーキャビネットです。こちらはClark製ではありませんが単板パイン材を使ってラッカーTweed仕様で製作されている素晴らしいキャビネットです。
キャビネットの背面部です。入力インピーダンスは8Ωです。
搭載されているスピーカーです。Jensen C12N 12インチスピーカーです。
以上、如何だったでしょうか。
一行で表現するなら、
5E3をベースにしつつ6L6の大音量化した持ち運びやすいヘッドタイプのTweed Amp
興味のある方は是非。
Gichi
HOWL GUITARS