Guild 1972年製 Foxey Lady Big Muff V1 Triangle | HOWL GUITARS

Guild 1972年製 Foxey Lady Big Muff V1 Triangle

ナマステー

HOWL GUITARSのhiroggyです。

もはや恒例のイントロ文で、インド一人旅の中で起きた事などを面白おかしく文章に表してみようと思います。

これまで書きためた旅行記は 「インド旅行記」 ブログテーマでまとめていますので、気になったら見てやってください。

神聖な村、ハンピで起こったスピリチュアルな出来事編。

楽器説明文と写真だけ見たい人はサーとスクロールダウンしちゃって下さいヾ( ´ー`)


インド旅行記 (10) ハンピ・石の祠 編 「あたま迷走」

瞑想。めいそう、えいごでいえばメディテーション。努めて何事も考えない。考えないという行為すら頭にあってはいけない。僕は誰でもない。中も外も空っぽ。無だ。そして無であると同時に全てだ。もしかしたらそのうち指先が透けているかもしれない。
まずはそんなことをしっかりと考えてみた。やれやれ。
考えないという行為をとおして色々な記憶の断片が頭のどこからか突如現れる。小学生の僕、24歳の僕、16の僕。彼らが見て聞いて感じて封じ込めた記憶。名前も忘れてしまった隣の席の女の子。校庭で泣いている。僕が何かひどい事でもを言ってしまったのだろうか。ダム湖まで一人テントを背負ってバイクで行った。結局寂しくなって帰ってきた。帰り道にタヌキを轢いてしまった。リヴァプール大聖堂の脇の墓地広場でひとりで食べた味気のないタマゴサンド。学芸大学の地下のバー。なんで僕はニコルクラブのTシャツを職場に着て行っただけであんなに叱られなければならなかったのだろう。いまさら怒りがふつふつと湧いてきた。さらに芋づる式に他の怒りも思い起こしてきて、しばらくは怒りの精神にのまれてしまった。ディフリーズしている。僕はどうしてこんな些細なことを今頃、それもインドの片田舎の忘れ去られた石の祠の中で思い出すのだ?不思議な気持ちになった。それらは時系列もバラバラだし種類も違うようだった。僕の頭の中に他人がいて記憶の引き出しをひっちゃかめっちゃか開けられているような気分だ。

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では本題の楽器紹介へ移ります。

今回ご紹介するギルティーにハモハモマフマフなエフェクターは

Guild 1972年製 Foxey Lady E.H Big Muff Pi V1 Triangle Knobです。



レアなGuild Foxey Lady Big Muff Fuzz Pedalが入荷致しました。

Electro HarmonixがGuildにOEM供給したBig Muff Pi Version 1 Triangle Knob です。

簡単に言ってしまえばElectro Harmonix社 (以下E.H) の製品をGuild社が自分のブランドの名前をつけて売りましたよー。ということなんですが、この両社のOEM関係はE.Hの会社成長やスーパーヒット商品Big Muff誕生に深く関わっており、面白い史実がいろいろとあります。細かく説明すると非常に長くなってしまうので、(ほとんど) 割愛させてもらいつつFoxey LadyとBig Muff V1 Triangleにフォーカスして説明させていただきます。

1967年ごろからGuild社はFoxey LadyのモデルネームでFuzz Pedalを販売し始めました。最初のOEM供給元はMosriteで、最初のFoxey LadyはMosrite Fuzz-riteでした。モデルネームの由来は言うまでもないですが、当時魔法 (ファズ) 使いとして全世界に衝撃をあたえていた Jimi Hendrix のデビューアルバム Are You Experienced? のどあたま曲 Foxy Lady です。

しかしその後一年もたつとMosrite社が破産してしまったため、次の供給元を探さねばならなくなり、そこに現れたのがE.H社を立ち上げる前のMike Matthews氏でした。そうしてMatthews氏がFuzz-riteの回路に数点モディファイを施し誕生したのが二代目のFoxey Lady。
時同じくしてE.H社は正式に起業し、Guild Foxey Ladyを追う形で "AXIS" というモデルネームを付けて販売開始しました。この2ノブFoxey LadyとAXISにも短期間で数種類のヴァージョン違いが存在しますが、ここでは割愛します(笑)

1969年頃、E.H社はさらに改良を加えたニューモデルを発表。それがBig Muff π (Pi) です。一番最初のBig Muffは三角に並んだ3つのノブからのちに "Triangle" と呼ばれるようになりました。内部パーツの変更点を挙げるとキリがないですが、このBig Muff 1st Version にもおおまかに2つエディションがあり、初期仕様のON/OFFスイッチはヴォリュームポットのゼロ地点で切り替え、2期目仕様にはペダルボード左上に小さなスイッチが増設されました。1973年あたりまでVersion 1 Triangeは続きますが、(おそらくBig Muffでは一番有名な) Version 2 Ram's Headへと大きく仕様を変えました。

Guild Foxey Ladyが3ノブ Triangle Big Muffに変更になったのは1970年のことで、2nd EditionのTriangle Big Muffと全く同じものです。

さてこのGuild Foxey Lady Triangle を愛用した有名ギタリストといえば、King CrimsonのRobert Frippです。

フリップ牧師のご愛用ファズというと、(King Crimson 1st アルバムのイメージが強すぎるため) まず先に思い浮かぶのはイギリス製のBurns Buzzaroundですが、使用したのは初期の作品のみで、71年以降からのフリップ参加作品ではFoxey Ladyがほとんどに使用されたと言っても過言ではないほどです。
中期のLark's Tongues Aspic、Redの名演で聴ける荒々しいファズやヴァイオリンライクなロングサステイントーンなど、David BowieやBrian Enoとのセッションでもその音が聴けます。もちろんHeroesで使用されたのはFoxey Ladyです。

などなど、クリムゾンファン、もしくはフリップ信者にはたまらないアイテムであります。

それではお写真を公開します。



トライアングルノブ。プリントもまだ残っています。



側面です。INPUT/OUTPUTジャック。



裏側です。



パーツを取り除いたアルミケースです。



内臓引きずり出しました。ヴォリュームポットが交換されています。



基盤の色は黒と青です。



珍しいFS3700 PNP Fairchild Semiconductor transistorsを搭載。



オリジナルのCTSポット。ポットデイトは72年16週目です。





ありそうでなかなか市場にでてこないGuild Foxey Ladyです。

爆発的なファズサウンドで、トーンの可変幅が広いのもTriangle Knob V1 Big Muffの特徴です。

ローミッドが削られた切り裂くようなトーンから分厚くきめ細かいロングサステイントーンまで楽しめます。

お探しの方はお見逃しなく!


hiroggy
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