今回のシリコンバレーでの様々な経験から私が至った結論は:「人々に力を与える媒体としてのネット活用」の方策を真剣に考えたい、ということです。
これはCraig Newmarkさんとの対談 でも話題になったトピックですし、セミナーの中でも大きく取り上げられた今アメリカのネット社会で最もホットな題材の1つです。
ネット先進国アメリカでは既に「市民ジャーナリスト」としてのブロガーが、既存メディア以上の力を持ってきています。大統領選挙を控え、各候補者とも「影響力のあるブロガーたち」へのリップサービスにも必死なようですね。McCaneさんはセミナーに来てましたし。
既存のメディアはもちろん優秀なジャーナリストやアナリストを抱え、質の高い情報を提供しますが、残念ながら最大公約数的な情報を、時の権力者や大企業の顔色をうかがいながら発信せざるを得ないことと、全国、いや全世界区のニュースに当然偏り、いわゆる「地方」や末端の生活者の声を反映することは難しいでしょう。
市民ジャーナリストたちが、様々な意見を自由に公開、発信する。それによって(無論つまらないものもあるでしょうが)より多くの意見が行き交い、ある意味では既存媒体やメディアにも良い効果を与えるのではないか、というのが肯定的な意見です。(一説では市民ジャーナリズムの台頭によって、アメリカの既存メディアの報道の質、政治家をはじめとする著名人の発言やスピーチの質も向上したと言われています。「失言」なんかするとYouTubeで投稿されますしね)
もちろん「素人」による情報発信の精度や質に対して懐疑的な意見も存在するわけですが、個人的には(特に地方都市という大メディアが無視しがちなところに住む身としては)人々の、人々による、人々のための情報発信と意見交換は、最終的には私たちの住む社会にプラスに働くのではないかと考えています。
日本でもこんな感じで少しずつ始まっていますね:
NHKを批判したブログが話題「再編して出直すべき」
「博士の独り言」というブログで、「今、NHKがおかしい 2」というエントリーが書かれネットで話題を呼んでいる。.......... ≪続きを読む≫
実はアメリカに出発する前から「市民参加型」の情報サイトの企画を少しずつ進めていました。
以前からあたためていた企画でしたので、既に10名程度の方々に企画書を回している段階です。
すると・・皆さんのほとんどから「より良いものにする」ための面白いご提案や、様々なご協力のお申し出を頂いています。
もちろんハウディーズにとっても何ら金銭的な利益にはつながらない事業であり、企画なのですが、皆さんのご協力があれば、「良いもの」ができそうですね。
さて、いろいろとこれから(日常の業務を含め)やることだらけではありますが、頑張ります!