本日はシリコンバレーから速報です。

世界最大の地域密着型情報サイト"craigslist"(クレイグスリスト) の創業者、Craig Newmark氏の独占インタビューに成功しました。

「地域情報サイト」の未来について、今後のインターネットを活用したアメリカのTIME(タイム)誌の本年度の"100 MOST INFLUENTIAL PEOPLE IN THE WORLD"(世界で最も影響力のある100人)に選ばれたネット世界の巨人です。(日本語の記事はあまり無いのでWikipedia英語版は→こちら


Craig Newmark (クレイグ・ニューマーク)



craigslist(クレイグスリスト)はアメリカのインターネット業界についてちょっとでもご存知の方なら知っているサイトで、月間ページビュー80億、月間利用者2,500万人を超えるサイト。英語ベースでの閲覧数は世界7位。アマゾンを超えていると言えばどれくらいすごいかお分かりでしょうか。

全世界にまたがる450都市で「不動産」「求人」「売ります、買います」などの情報をユーザーが(ごく一部の有料広告カテゴリー・都市を除いて)自由に書き込み、閲覧できるというサイトで、既にアメリカでは「紙媒体(特に新聞)」の没落と衰退に大きな役割を果たしたサイトと言われています。

サイトの方針は、「人々のため」「地域社会のため」と一貫しています。


craigslistのCraigさん



craigslistは上場していない会社です。しかし、世間ではYouTubeをGoogleが16.5億ドル(日本円では1,800億以上でしょうか)で買収しましたが、それに匹敵する価値があるとも言われており、それを手放さず、上場せずに営利を追求しない方針で(もともとは非営利団体でしたので)運営し続けています。

しかし、世界有数のサイトを運営し、地域情報と広告媒体のあり方を根本から変えた人物であること、そして数々の「地域のため、人々のため」に数々の活動をし、利権や権益に屈せずにユーザーのために「ネット上の中立性」を保ちながら、電話一本で何百億、何千億というお金が手元に入るにも関わらず地道に地味な活動を続ける(未だに顧客サポート部門に自分を配置し、カスタマーサービスを行っています)Craigさんの影響力は、TIME誌をして「世界の100人」に匹敵すると判断されたということです。


Craig Newmark


それではハウディーズという小さな日本の田舎の会社がなぜCraigさんに会えたのか?

この件に関しては、私自身もびっくりしています。

誰の紹介でもなく、単に「世界最大かつ、最も人々の役に立っている地域情報サイト」のお話を何としてでも聞きたい、という想いを一心に伝え続けただけといえばそうです。私のハウディーズという事業に対する想いや、事業を通じて感じてきたこと、インターネット上にも存在する「地域格差」と地方でネット産業もそうですがネット社会が成長しない社会構造的な問題。このようなことを伝え続けた結果、人格者であるCraigさんは快くご自分が頻繁に通われる「かれの地域のお店」にご招待くださったわけです。

私がこのお礼に渡したのは「足利市」を代表する藍染めの製品と、相田みつをさんの色紙に本。なんとか私なりの独自の「足利市プロモーション」も果たすことができました。



Craigと相田みつを




インタビューの詳細はおりおりまたアップいたします。


Craigとみつを



さて、(時差ぼけどころか睡眠時間自体相変わらずあまり取れないのですが)もう1つ肝心のセミナー(Stanford Summit・スタンフォードサミット)ですが、アップルに詳しい人は誰もが知っているGuy Kawasai(ガイ・カワサキ)さんが司会で、Wikipedia(ウィキペディア)のWikia社CEOのGil Penchinaさん、子供向けSNSで最先端を走るGaia社のCEOのCraig Shermanさん、Aggregate Knowledge社のCEOのPaul Martinoさんが早速目の前でスピーチ。Web 2.0の最先端を走る皆さんの起業ストーリーなどを聞かせてもらいました。


セミナーパネリスト


やはりシリコンバレーは凄いですね。投資家や投資銀行が目を皿のようにして「新しいもの」「斬新なアイディア」を探し、(自らの利益もですが)強力に支援。日本がネットサービス後進国なのも頷けます。地方はもちろん東京ですらまだまだネット業界の意義と本質を理解して(産業革命以来の人類の大きな一歩、というのが世界の定説ですが、日本でサイト立ち上げの資金調達をするなら激戦区でラーメン屋をする方がお金のメドが立ちやすい国ですから)いる人が少ないですからね。どうりで韓国や中国にも置いていかれているわけです。

セミナーの件もまたアップしましたが、先日書いたブログの私の方針は正しいようです。Craigさんからも大変温かい言葉をいただきましたが、自分の方向性は誤っていないな、と感じている数日間です。ハウディーズは、これからも地域の皆さんのために何ができるかを考え、日本のサイトのように末端からお金を取ることだけを考えるのではなく(ヤフーのプレミアムサービスの毎月数百円などは言語道断ですね)サイトに関わる全ての人たちに利益を与えるサイトにしたいと痛切に感じています。

また、Craigさんのおっしゃるように、既特権から搾取されるだけの「大衆」ではなく、インターネットを通じて「大衆に声と力を与え」、草の根から末端から私たちの地域、そして日本の衰退している地方都市全体をより良くするためにハウディーズという会社ができることをこれまで以上に考えたいと思っています。

ハウディーズは何があっても「まちの生活者」の皆さんを(掲載店さんも含め)支援し続ける起業でありたいですね。

それではまたシリコンバレーより。