朱に交われば吉となる? | Howdy from China !!

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中国人は赤い色が大好き。

マーケティング的には購買意欲をそそる色として非常に重要な色でありますが、この時期中国はどこもかしこも真っ赤なお正月(春節)飾りで華やぎます。
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このお正月飾り、一般の家庭では大掃除を終える旧暦の12月29日にあたる日(今年は2月7日)に飾るしきたりなんだそうです。

中国にいながら日本式でお正月を迎えた私ですが、あのスーパーの特設コーナーを占拠している赤い春節グッズや中国のお正月ならではのアイテムに強い興味を引かれたので、その由来や意味を調べてみました。


春聯(ChunLian)↓
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赤い紙に縁起の良い言葉を対句で書いた紙のことで、家の玄関などに貼るものだそうです。
真ん中のセットの上には「恭喜發財」
(お金持ちになりますように!)と書いてあります。

古来からの風習を今も守る土地では、赤い紙に手書きで書く人もいるそうです。
さながら中国における書き初めでしょうか。

お正月飾りは日本の場合、お正月を過ぎると外しますが、中国は春節が過ぎてもそのままにしておく家庭が多いですね。


福字/倒福(DaoFu)↓
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春節の際に各家庭に貼られる「福」の字を書いた赤色の紙。
上下逆さま(倒)に貼るのは、「倒」と「到」の発音が同じため、到福(福が訪れる)ようにという願いを込めているそうです。


中国の年神様?財神↓
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どこの廟に行っても大抵祀られている金運&商売の神様・財神は新年を迎えるにあたって中国人にとって欠かせないお方!
こちらは…簡易的に神棚に飾るものなんでしょうか…手軽ですね(笑)
神様に仕える童男童女も従えています。
この男の子と女の子が対になった絵を玄関に貼る家庭もよく見受けられます。


新婚さん用タペストリー↓
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「喜」という字が2つ並んだ双喜(ShuanXi)紋は、英語ではダブルハピネスと呼び人気のある文字ですね。
春節以外に結婚の際にもよく使われている縁起の良い字で、新婚家庭に飾られることが多いそうです。


中国版尾頭付きのメデタイ魚↓
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中国には「有頭有尾 善始善終(始まり良く終わりも良い)」という言葉があり、尾頭付きのお魚は中国でもやはり必須アイテム。

中国語では「魚(Yu)」と「余(Yu)」(お金が余るの意)が同じ発音なので、今年一年余裕があるように、という願いを込めて家に飾る家庭が多いそう。

ちなみに中国で魚といえば鯉が代表的ですが、鯉は長寿の象徴だったり中国の故事・登竜門にも登場した、滝に登った後に龍と化したという、非常に縁起の良い魚とされています。
さらに九匹の魚は「九(Jiu)」が「久(Jiu)」と同音なため、永遠に豊かでいられるといいます。

永遠の富と名誉と長寿…なんともマルチなシンボルではないですか!


中国版しめ縄?
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いわゆる中国結と呼ばれる伝統工芸で、いくつかその結び方には技法があるようですが、こちらはそのうちの吉祥結という縁起の良い結び目の様です。


福熊手ならぬ招福箕飾り↓
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中国での本来の意味はわからなかったのですが、日本の熊手が福をかき集める縁起の良い民具であるのと同じく、こちらも箕で「福をすくい取る」という意味が込められているのでしょうか。


爆竹…を模したもの↓
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最近は深圳や香港を含む都市では危害の大きさから爆竹を規制する動きが増えているので、このような爆竹風の飾り物が出てきたのでしょうね。

なぜお正月に爆竹なのか…それはそもそもの春節の由来に因んでいました。

春節は中国では「過年(年を越すという意)」とも呼ばれています。
※厳密には春節は元日の事を指し、過年はその前後の期間を言うそうです。

言い伝えによりますと…
『昔々、残酷で凶暴な「年(Nian)」という怪獣(年兽)がいて、下界に降臨しては人々を脅かしていました。
ある時、赤い服を着た村民が年に遭遇し、慌ててその場にあった竹を燃やしたところ、パチパチという竹の大きな音にびっくりした年が尻尾を巻いて逃げたそうな。
それ以来、人々は年がやって来る頃になると赤い飾りで家を、赤い服で身を守り、年がくる度に爆竹で追い払ったのだそうです…』

年の災いを振り払う習慣は、意味合いが多少変われど今もそのまま残っていて、これが爆竹の由来なのだそうです。

この年兽の伝説は、春節に踊られる獅子舞の起源になっているそうですょ。


中国のポチ袋・紅包(HongBao)↓
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中国でお年玉は圧歳銭(YaSuiQian)と言います。
歳の字は「祟(Sui)」と同音なので、祟りを圧する(鎮める)という意味合いを持ち、お子さんが一年平穏無事に育つように、との願いが込められているそうです。

ただこちらでは親や親戚から子供にあげるだけでなく、既婚者が未婚者へ、また自分が普段お世話になっている人たち(職場の部下やマンションのスタッフなど)にも渡すのが通例なのだとか!

相場は地方によりけりですが、身内でない場合はおおよそ50元程度だとか。
チップ程度とはいえ、何百人もワーカーさんが働く工場の工場長さんはどう工面しているのやら…安い賃金で働くスタッフはお年玉も重要な収入源とみているでしょうし…他人事ながら心配です。。


中国版鏡餅?
年糕(NianGao)↓
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中国版のお餅で、「年高」と同じ発音ということで、毎年高くなるよう、更に上昇するように、という意味合いがあるそう。
こちら以外にも、普通の白いお餅やカボチャ、紫芋、抹茶などで味付けしたものが売られています。


赤い服と靴下と下着↓
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前述したような年から身を守るという意味以外に、中国では年男・年女は厄年にあたり、春節から一週間は全身赤い服を着て、外出せずに過ごすという風習があるそうです。
最近の若い人たちがその慣習に倣っているかは定かではありませんが、赤い靴下だけは履く、という人が少なくないようです。

同じく赤い下着も厄を落とす効果があるとか。
赤い下着は「元気&長寿」の象徴でもあり、年越しの際に身に付けていると、その年は健康でいられるとあって、年男・年女に限らず身につける人もいるんだそうです。

スペインでも新年に赤い下着を着る習慣があるそうですが、こちらは赤い下着が幸運を呼ぶラッキーアイテムとしておなじみなんだそうです。
情熱の国スペインも赤が好きですね。


赤い灯籠↓
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こちらも爆竹と同様、慶事には欠かせないアイテム。
道路沿いやビル、家屋の入り口など至る所に飾られています。


赤ではないですが、風水において金柑は金運を上げると言われ、中国人の間では相手の金運を祈って、お互いに金柑の鉢植えを送ったり、門松のように玄関などに飾る習慣があるそうです。
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こちらは金柑をみかんで代用したもの。
もぎ取って食べちゃう人いないのかな…


こちらはクリスマスツリーの後に出没した「禧園」・・・Joyful park?!
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「禧」という字は春節などの祝い事でよく使われるようで、全てが思い通りにいきますように、という意味があるそうです。
だからか、七夕の笹の如く、いや神社の絵馬の如く、桃の木に願い事が書かれたカードが沢山飾ってありました。
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桃の花は春に咲く花でもあるので、春節によく飾られます。
また邪気を払ってくれるとも言われていますね。


こちらはお店の入り口に飾ってあったもの↓
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昔の人々はコインを赤い糸に通して悪霊たちを追い払っていた、という説もあるアイテムですが、しかしここは商業施設、コインの招・財・進・宝(商売繁盛の意)の文様からして、やはり千客万来的な縁起アイテムなのでしょうね。


いかがでしたか?
中国人の、無病息災かつ家族の幸福やお金に対する並々ならぬ思いが込められた春節、赤い色には霊験あらたかなパワーが宿っているのかもしれません。

信じるか信じないかはあなた次第(笑)






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ゴールドも好き。