トヨタ、60億円申告漏れ…04年までの3年間で

 トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)が名古屋国税局の税務調査を受け、2004年3月期までの3年間で、約60億円の申告漏れを指摘されていたことが30日、わかった。
 海外の子会社に乗用車の部品単価を下げて売り、利益を圧縮していたほか、広告宣伝費を水増ししていた。同国税局は重加算税を含め、約20億円を追徴課税(更正処分)したと見られる。
 関係者によると、同社はオーストラリアとブラジルの子会社に自動車部品を輸出した際、本来よりも安い単価で売り、3年間で、約20億円の利益を圧縮して、過少申告加算税を課された。
 このうち、オーストラリアの子会社に関しては、値下げで出た差額分を、完成品の乗用車をアラブ首長国連邦など中東に販売する際、販売代理店に支払う販売促進費に充てていた。同国税局は、「子会社が負担すべき販売促進費を、トヨタ自動車が部品代を下げることで工面させ、肩代わりしていた」と指摘した。
 また、同社は、広告宣伝費を実際に支払った額より5億円多く計上していたとして、重加算税を課されたほか、経理ミスなどを指摘された。
 トヨタ自動車広報部は「詳細は申し上げられないが、当社は従来から適正な納税申告を行っています。国税当局と見解の相違が生じることもあるが、指摘に従い、納税しています」とコメントしている。
 同社の06年3月期の連結決算での売上高は、21兆369億円。
(2006年12月30日10時4分  読売新聞)
 引用 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061230i102.htm

2004年3月期までの3年間で申告漏れがあったということは,2001年からということになりますな。
この時期の社長は,張富士夫現会長。
張氏は1999年6月から05年6月まで社長を務め,その後会長となっているのですが,
張富士夫氏といえば,言わずと知れた経団連の副会長を務める名古屋のドン
こんなことやっていて,法人税の引き下げを要求する経団連。
約20億円の追徴課税は甘すぎるだろう。
庶民の私には大金すぎて想像できない金額ではあるが,経常利益が1兆円overの企業。
20億といったらわずか0.2%。
最低でも消費税なみの5%(=500億円)は追徴してもいいだろう。
さらに,今後10年間の法人税を50%に引き上げるなどのペナルティーも必要かもしれませんなぁ。

トヨタのHPの社会貢献活動によると,
トヨタは、「社会から信頼される良き企業市民」となることを目指し、また豊かな社会づくりとその持続的な発展のためグローバルで社会貢献活動に取り組んでいます。2006年1月には、活動を一層強化するため、従来は複数の部署にあった社会貢献活動の機能を一つにした「社会貢献推進部」を発足しました。グローバルでは重点分野として「環境」「交通安全」「人材育成」の3分野に注目し、日本においては、それに加え「芸術・文化」「共生社会」の分野で社会ニーズに応じて、トヨタの持つ技術やノウハウといったリソースを活用しながら積極的に社会貢献活動を進めています。
善良なトヨタ社員が気の毒ですなぁ。

恥ずかしくないのかね,張会長?!

企業として社会貢献を訴えるなら,
政治家ではないので,辞職してもしなくてもよろしいが,
せめて教育再生会議のメンバーからはずれていただきたいものです。

教育を語る前に会社を何とかしたほうがいいのではないですか?


年末にして,不愉快な記事が多いなぁ…。

参考資料
 トヨタの歴代社長についてはこちら

フセインの死刑執行される

【カイロ=長谷川由紀】イラク中部ドゥジャイルのイスラム教シーア派住民148人を殺害した「人道に対する罪」で死刑が確定していた同国元大統領サダム・フセイン(69)に対し、絞首刑による死刑が30日、執行された。
 同国国営テレビが伝えた。
 同罪で元国家元首が処刑されたのは初めて。
 約30年にわたり同国を強権支配し、2003年のイラク戦争で政権の座を追われた独裁者は自国民の手で裁かれ、「罪人」として刑死した。
(2006年12月30日12時42分  読売新聞)
引用 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061230it02.htm?from=top

自国民の手によって裁かれたとは言っていますが…。
アメリカ主導の裁判だったわけですからねぇ。
死刑は果たして正しいのだろうか??

新たな火種にならないことを祈るのみです…。

以下追加


フセイン元大統領の死刑執行=判決確定からわずか4日-妥当性に論議も・イラク

【カイロ30日時事】人道に対する罪で死刑判決を受けたイラクのサダム・フセイン元大統領(69)に対する絞首刑が30日午前6時(日本時間同日正午)前、バグダッドで執行された。国営テレビなどが報じた。4半世紀にわたりイラクを支配した独裁者は、かつて自らが弾圧したイスラム教シーア派やクルド人指導者たちが主導する政権下に設置された法廷で裁かれ、死刑確定後4日で処刑された。裁判の公平性には批判も多く、死刑執行の妥当性は論議を呼びそうだ。
 2003年の旧フセイン政権崩壊後、同政権の犯罪を裁くために設置されたイラク高等法廷による死刑判決が執行されたのは初めて。
 同じく死刑が言い渡されていたバルザン・イブラヒム元ジュネーブ国連代表部大使とアワド・バンダル元革命裁判所長官の刑も執行された。
 死刑執行がいつ行われるかについては直前まで情報が錯綜(さくそう)した。29日深夜にマリキ首相が米当局者と会談したと伝えられており、その際に執行時間が最終的に決まったとみられる。
 フセイン元大統領は高等法廷による訴追の第1弾として、05年7月、1982年に中部ドゥジェイルで起きたシーア派虐殺事件で他の政権幹部ら7人と共に起訴された。06年11月の1審判決は元大統領ら3人に死刑を言い渡し、控訴審も今月26日に1審判決を支持、元大統領らの死刑は確定していた。
 高等法廷は、80年代末にクルド人約18万人が殺害されたとする「アンファル作戦」でも起訴され、審理が進められていたが、死刑執行により、元大統領への訴追は打ち切られる。(了) 

【解説】拙速の死刑執行、将来に禍根=フセイン時代の清算成らず-イラク
【カイロ30日時事】フセイン元イラク大統領に対する裁判の公平性への国際社会からの批判にもかかわらず、30日に死刑執行が断行されたことで、旧フセイン政権による数々の犯罪の真相は闇に葬られ、イラクの今後に大きな禍根を残したと言えそうだ。
 新生民主国家としてのイラクが、フセイン政権の犯罪の全体像をきちんと公正な裁判で検証し直すことは、4半世紀にわたり同国を支配した独裁政権の時代の「負の遺産」を清算して未来に向かうために当然必要な手続きだったはずだ。
 だが、元大統領が実際に最後まで裁かれたのは、比較的小規模な1982年のイスラム教シーア派虐殺事件「ドゥジェイル事件」のみ。処刑により、審理中だった80年代末のクルド人虐殺事件での訴追は打ち切られる。また、90年のクウェート侵攻や、91年の湾岸戦争後のシーア派弾圧といった大きな事件は起訴すらされずに終わった。
 控訴審に期限は設けられておらず、ドゥジェイル事件の判決確定を他の事件の結審まで遅らせることは法的に可能だったが、高等法廷はわずか2カ月足らずで控訴審を結審させ、早期死刑執行に道を開いた。
 さらに、裁判は当初から、スンニ派勢力などから「米国の利益のための裁判」「フセイン政権に弾圧されたシーア派とクルド人による報復裁判」と批判されたが、そうした批判を封じるのは、公明正大な裁判で元大統領らをきちんと裁くことによってのみ可能だった。
 しかし実際には、唯一結審した「ドゥジェイル事件」の裁判の公平性について国連や人権団体から批判が続出。死刑を執行しないよう求める声が国際社会で広がっていた。それに挑戦するかのように、拙速とも言える処刑に踏み切ったことで、真相解明より「報復」を優先したとみられかねない。(了)

【サイド】宗派抗争悪化の恐れ=フセイン元大統領処刑-バース党残党が宣伝に利用も
 【カイロ30日時事】フセイン元イラク大統領に対する死刑執行は、イスラム教シーア派主導の現政権に不満を持つスンニ派を刺激し、少なくとも短期的には宗派抗争を一層悪化させる恐れがある。また、旧フセイン政権の支配政党バース党の残党などが元大統領を「侵略者と戦った殉教者」に祭り上げ、駐留米軍や現政権への攻撃の扇動に利用する動きも出てきそうだ。
 ただでさえシーア派とスンニ派の宗派抗争が激化している中で、11月5日の1審の死刑判決以降、「フセイン裁判」も両派の争いの焦点の1つに浮上していた。
 1審判決後、バグダッドのシーア派居住地区サドルシティーでは「自分たちに処刑させろ」と住民が気勢を上げる一方、中部サマラなどスンニ派が多数を占める都市では、元大統領を支持するデモが繰り広げられたと伝えられる。
 スンニ派主導の旧フセイン政権はシーア派を冷遇、弾圧した。現政権下で逆の立場に置かれたスンニ派には、依然として元大統領を支持する勢力が根強い。また、現政権が一向に治安回復や国民の生活改善を実現できない中で、「フセイン時代の方がましだった」と考える人々が増えているとみられている。こうした状況での処刑が、スンニ派の一部に挑発と受け取られ、強い反発を呼び起こすことは避けられない。逆にシーア派の多くは処刑を歓迎するとみられ、両派間の溝はさらに広がり、マリキ政権が宗派抗争の収束に向けて目指している「国民和解」はますます困難となりそうだ。
 一方、バース党を名乗る勢力はウェブサイトを通じ、元大統領が処刑された場合は報復として、米国の権益などを攻撃すると警告していた。バース党残党は現時点ではさほど強力な勢力ではないが、元大統領の処刑を米国などに対する「抵抗運動」の象徴として民族主義的、宗教的に美化し、勢力拡大に利用するとみられる。(了)

フセイン元大統領略歴
 37年、イラク北部ティクリット近郊のアウジャ村生まれ。反政府活動に加わり、アラブの統一・復興を掲げるバース党に入党。59年、カセム首相暗殺計画に失敗して国外逃亡。帰国後の69年、革命指導評議会副議長。79年7月、大統領。80年9月、対イラン戦争開始。90年8月、軍にクウェート侵攻を命じ、91年1~2月の湾岸戦争で多国籍軍に大敗。03年4月、イラク戦争に敗れて政権崩壊。同年12月、米軍に拘束され、05年7月、イスラム教シーア派住民虐殺の罪で起訴。06年11月、1審で死刑判決。同年12月の控訴審で死刑確定。(時事通信)

イラク特措法を延長へ…2年軸に調整、空自輸送を継続

 政府は28日、イラク復興支援特別措置法の2007年7月31日までの期限を延長する改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。
 航空自衛隊による空輸活動に対する米軍や国連の需要があるため、活動を継続すべきだと判断した。延長期間は09年7月末までの2年間を軸に調整する。
 政府は、イラク情勢が依然として不安定で、〈1〉多国籍軍や国連による復興支援活動が来年7月以降も継続する可能性が高い〈2〉米連邦議会の「イラク研究グループ」の「08年3月までに戦闘部隊の国外撤収が可能」とする報告書を踏まえ、米軍の活動は08年春までは少なくとも続く――との見方を強めている。
 イラクに現在派遣されているのは、空自隊員約210人とC130輸送機3機。クウェートを拠点とし、イラクのバグダッド、アルビル、タリルの各空港に米軍などの人員や物資、国連職員や物資を輸送している。
 空輸活動を開始した04年3月から06年12月下旬までに430回以上、計約500トンの人員・物資を輸送した。最近も、月15回前後の空輸を続けている。
 イラク特措法は4年間の時限立法で、最大4年間の延長が可能と定めている。
 延長幅について、政府は2年を軸に与党と調整する考えだ。ただ、与党内には、「毎年改正案を提出し、延長について国会の承認を得た方が良い」との声もあり、1年とする案も出ている。
(2006年12月29日19時15分  読売新聞)
 引用 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061229i101.htm

アメリカ国内でも9・11同時多発テロ以降のテロとの戦いに対して,
軍事・テロ専門家の86%が以前よりテロの脅威が高まったと回答しています。
にもかかわらず,イラク特措法を2年間延長し,09年7月31日までとしたのはなぜだろうか?
アメリカ大統領選が08年11月4日,予備選挙が2月から6月に行われます。
つまり,共和党が敗れたとしても,航空自衛隊による空輸活動を行うとしたわけですなぁ。

記事内の(1)(2)の判断理由の他に,
日本政府は共和党を応援していますというアピールが見え隠れしているような…。

アメリカを中心に行われたイラクへの侵攻に同調し派兵を行ったイギリスやスペインでは,
この派兵に反対するイスラム過激派と見られる集団による一般市民を狙ったテロ事件が発生し,
多くの人命が失われました。
また,アメリカへの支持と派兵はイギリス・スペインにおける政権交代のきっかけにもなりました。
 参考 アメリカ同時多発テロ事件

人道的観点から,復興支援活動を否定するつもりは毛頭ありませんが,
自衛隊が海外へ行くということについては,いまだ抵抗感があります。
自衛隊は軍隊という見方もあり,
アメリカ同調路線の継続が,日本におけるテロの脅威の拡大へとなりそうで心配です。
アメリカの尻拭いの別の方法も模索できないものかと…。

86%が「米国はより危険に」=対テロ戦の成果に疑念-民主党報告書

【ワシントン5日時事】米野党・民主党系のシンクタンクは5日、2001年9月の同時テロから5年に当たり、ブッシュ政権の対テロ戦争や外交政策の成果に強い疑念を呈する報告書を発表した。同報告書によると、軍事・テロ専門家を対象とした調査の結果、「米国は以前に比べ危険になった」との回答が86%に上った。また、対テロ戦争で米国が勝利しつつあるとするブッシュ政権の主張に「同意しない」と答えたのは83%に達したという。(時事通信 2006/09/06)