岩村の町をめぐります。

 

 

 

 

寛政8年(1796)創業の「松浦軒本店」があります。「カステーラ」が人気です。岩村には3軒のカステラ製造販売するところがありますが、いづれも「カステーラ」と表記しています。

 

 

 

 

 

松浦軒本店のカステーラは、今からおよそ210年前の寛政年間、岩村藩の御殿医・神谷雲澤が長崎に赴き、オランダ人から蘭学を学んだ時、カステーラの製法も習得し、帰藩してから岩村藩御用菓子司の松浦家に伝授されたのが始まりです。以来古風そのままの秘法を8代にわたり口伝直伝によって伝え守り続けてきたものだそうです。

 

「我が国にカステラ(Castella)の製法が伝わったのは、室町時代にポルトガル船が長崎に入港した時とされます。そのカステラは、現代のポルトガル・スペインを含むカスティーリア王国にルーツがあります。その原形はポルトガル語でポォン・デ・ロというもので、日本のカステラと違って丸い形をしたパンの一種で、今でもポルトガルの各地で作られています。

カステラの研究者で長崎の医師中西啓氏によれば、長崎でもカステラの原形はすでに消え去っていて、ポルトガルやスペインといったカステラ元祖の国にすら残っていない本当の原形カステラが岐阜県恵那市岩村町の松浦軒で作られているカステラだというのです。

カステラ王国であった国々にも残っていない幻のカステラが、美濃の片田舎に歴史の流れから忘れられたように残されていました。」  小学館発行『サライ』より抜粋要約

 

 

 

 

 

松浦軒本店の前にあるのが、老舗造り酒屋「岩村醸造」です。

 

 

 

 

創業は天明7年(1787)と伝えられます。当時は岩村藩御用達の運送業を本業とし、酒造りは副業でした。明治維新で藩が消滅したことにより、酒造りが本業となり、同時に味噌・醤油なども作るようになりましたが、戦後は日本酒専業メーカーとなりました。

 

 

 

 

店内に入って見ます。平成22年全国新酒品評会で金賞を受賞した「女城主大吟醸」が人気のようです。ここではすべての銘柄が試飲できます。「女城主」とは、岩村城の城主であった信長の叔母「おつや」のことですが、このことにつきましては「岩村城」の中で触れます。

 

 

 

 

かっての酒類看板も保存されています。

 

 

 

 

店先から奥の蔵までトロッコ軌道が通じています。

 

 

 

 

 

酒蔵もいい雰囲気です。

 

 

 

 

原料米は主に「ひだほまれ」で、大吟醸には兵庫産「山田錦」を使用。酒造りには欠かせない水は、2本の井戸からの天然水(岐阜県名水50選の地下水)を使っているとか。

 

 

 

 

お土産に、吟醸こうじ造り「女城主あま酒」を買ってきました。米と米麹だけで作られたもので、とても甘いです。勿論甘味料・保存料は一切加えられていません。

 

 

「甘酒」の季語が「夏」…っての知ってました?

冷して飲むととても美味しいです。

 

 

                      2023/06/18