飛騨街道を先に進みます。

 

㊟益田郡萩原町とありますが、町村合併により下呂市となっています。

 

 

 

このあたり、「益田造り」の立派なお屋敷が目立ちます。この「益田造り」は、白川郷の背の高い「合掌造り」に対し、南飛騨地方中心に広がる背の低い建築様式で、屋根が大きく軒が低い2階建ての造りです。屋根は切妻で妻側は「雨覆い」と呼ばれる外壁があり、2重の外壁となっています。屋根材はこのあたり瓦葺きです。

 

この地方の風土の特色は、積雪が比較的少なく、雪下ろしの必要がありません。一方春から秋にかけて多雨で、北寄りの風(益田風)が吹くそうです。また台風は「たつみ風」と恐れられ、そのため屋根が吹き飛ばされないように、妻側を南北に向けないように造られています。2階は養蚕のためのスペースです。

 

 

 

 

 

街道沿いに古民家を利用した飲食店がありました。

 

 

 

 

右側・旧道に入ります。

 

 

 

 

「慈眼堂」と名付けられたところ。観音霊場のようです。

 

 

 

 

真宗大谷派のお寺「妙覚寺」です。

 

 

 

 

諏訪神社のあたり、堀と思われる地形となっています。ここはかって「諏訪城」があったところです。

 

 

 

 

戦国時代、竹原郷の代官から自立した「三木直頼」は、天文年間(1532~55)桜洞城を築き、その後高山に松倉城を築き本拠地を移します。

 

天正13年(1585)金森長近が、三木自綱を破って飛騨を平定すると、先の桜洞城は徹底的に破壊します。そして美濃上有知の武将「佐藤秀方」に命じ築城させたのが、この「諏訪城」でした。

 

秀方の子・方政は、関ヶ原の合戦で西軍につき、美濃の領地を没収され、更に大坂夏の陣でも豊臣方につき敗死したのです。

 

この城は金森長近が接収し、城下町として「萩原宿」を整備し、飛騨高山に対し南飛騨・益田地方の中心地として大いに栄えました。

 

やがて徳川幕府の「一国一城令」により廃城となり、金森藩主の陣屋となりますが、それも飛騨が天領となるとともに取り壊されたのです。

 

 

 

 

本丸の周囲には、空堀や石垣も残り、城跡の雰囲気をよく残しています。

 

 

 

 

今は本丸跡に「諏訪神社」が鎮座しています。この神社はお城築城時には他地に遷座されていたものですが、廃城に伴い再び遷座されたものです。

 

 

 

 

 

JR高山線「飛騨萩原駅」にも一応寄っていますが、まだ先に歩く予定ですから、ここでは乗りません。

 

 

 

 

 

萩原宿をめぐります。

 

 

 

 

今は廃業していると思われる理容院です。木造ですが洋風の外観がいいですね。

 

 

 

 

「十六館」と名付けられてこの建物は、「十六銀行萩原支店」だった建物です。明治44年(1911)に建てられたRC造り平屋建ての和洋折衷の銀行建物でした。

 

 

 

 

現在はギャラリー・ミニコンサートなどに活用されています。銀行だっただけに作り付け金庫もそのままです。

 

 

 

 

緩やかな曲線が旧街道を偲ばせます。

 

 

 

 

造り酒屋「天領酒造」です。江戸時代延宝8年(1680)創業だそうです。

 

 

 

飛騨の酒米「ひだほまれ」と、飛騨山脈の地下水で造った「天領」は、江戸時代日野屋佐兵衛から受け継がれた飛騨の銘酒だそうです。

 

 

 

和菓子処「かつぶん」は、この時期ヨモギをふんだんに使った「あねかえし」という和菓子が人気だそうですが、「売り切れ」の表示がかけられていました。

 

 

 

 

町家造りの家並みが続きます。

 

 

 

 

明治41年創業の味噌醸造元「今井醸造」です。飛騨豆腐の味噌漬け…ってのが人気のようです。

 

 

 

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土産に買った「飛騨の味わい・おかず味噌」です。生姜・蕎麦味噌です。

 

 

 

ご飯に載せても美味しいのですが、今回はバスタに「蕎麦味噌」をトッピングしてみました。

 

 

 

 

冷製パスタによく合います。蕎麦の実のプチプチと、唐辛子のピリッとした刺激が食欲をそそり美味しいです。

 

 

 

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飛騨萩原宿を抜け、国道41号線と合流する直前に、大きな欅の木が立っています。その下に「桜谷不動堂」がありました。宿場のはずれです。飛騨川の支流に架かる「桜橋」を渡って、国道41号線に合流し「上呂」に向かいます。