売れる役者と上手い役者と甘い役者 | はる駒コンシェルジュ

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私が役者になったのは、17歳になる前の夏

それから、かれこれ36年以上

 

最初に 役者になると言った時、両親は猛反対

未だ男尊女卑の時代の昭和時代ですから、ましてや水商売であるこの 世界は許してもらえるはずがありません

 

 

と言うと、普通に役者になった子みたいですが、私父方は 完全に役者家系 そうでない人は、父の姉が1人

それ以外は、みんな役者

 

母方はと申しますと これまた弟妹、親は役者という 

年末年始お盆になると普通友達が田舎へ帰る話題で盛り上がれるところ、私に田舎と言うものはなく、毎年どこか地方の劇場もしくは センターの公演になるわけでしてアセアセアセアセアセアセアセアセ

 

休みになると嫌でも毎日舞台が見れるわけです。そんな環境で大きくなったのに、役者になるなとは酷い話で 大反対の両親は10,000円 あげるから出て行けと言いました

 

まして、父は お父さんの目の届かない劇団にいけと言うのですから

むずかしい話で 泣く泣く高校受験をし、はれて女子高校生をしていたわけですがアセアセ

祝高校の入学式の日、はじめての制服に身を包み、親戚に報告に行くつもりで楽屋を尋ねたところ 新人さんでそこにいたのが

津川さんだったわけです

 

そもそもそこからが運命の分かれ道

私たちの馴れ初めは置いといて気づき

 

 

 

私が役者になった時 既に目指すところのおばあちゃんは 

病に倒れて現役を退いていましたから 父親の勝 龍治を

目のあたりにして、私を弟子にしてくれる人なんていないわけで

とにかくとても困りましたアセアセ

 

おのずと芝居のことや舞台のことは 父にと言いたいところですが

父は私には無関心だったので いろいろ難しいことがあれば教えてくれるのは叔父でした

 

叔父の言葉にはいつもいろんな教えがあって

「お前はどんな役者になりたい? 売れる役者か?上手い役者か?

それによって勉強するところが変わってくる」

『 俺たち 嵐兄弟は うまい役者を目指してる 

売れる役者がけっしてうまいわけじゃない 

上手い 役者が売れるわけじゃない」

 

その言葉通り、その叔父を師匠に持つ津川さんは 

上手い役者を目指していた 

各劇団各役者はそのルーツから話すしお家自慢が大好きでルーツに自信を持っている どこに行っても 2世3世4世はそんな話に明け暮れる以前わたしもそうだったらしいタラー

でも良く津川さんが 親が偉いから 親が上手くても

その子に受け継がれているかどうかは微妙だと....津川のいうとおり 

舞台に上がるときに、正直そんなものはほんとに必要がない

彼曰く

血のつながらない僕が心底上手いと感じて役者を本格的に生涯の職にしたのは 師匠と総帥の芝居をみたからや 親は関係ない

人の一生を左右するほどの芸を持ってる人たちにつづきたくて・・・

頑張った!

お二人は遊びも1流やったけど 俺はそこまで両立

できないから毎日が努力しかない・・・・と言ってました

 

皆さんは、かもめのジョナサンと言う話を聞いたことが

ないでしょうか?

餌をついばみに行くかもめの中で餌よりも

その翔び方にこだわっていた鴎

昔から芝居の話を朝まで夫婦できた人でした

今日の芝居に 明日の芝居に そんな事を毎日毎時考える役者

ほんとは売れる役者を目指した方が全てにおいて

あたりなんかもしれませんが

実力が伴わなくても人気が上がってしまう役者もいれば

さほど人気がなくても上手くなりたいロマンに熱情に

満ちた役者もいる

 

一番なりたくないのは 上手くなりたいわけでもなく 売れるわけでもなく舞台に情熱も誠意も見られないのに 

お客さんあしらいだけ必死になる役者を

私は 甘い役者と呼んでいる 

 

どこの舞台にも 売れる役者と上手くなりたい役者と甘い役者が

混在しているけれど

 役者歴三十六年を過ぎた今でも 上手い役者になりたいと

思いながら舞台に上がっているルンルン

今年81歳総裁の芝居を見逃さないでください