【西洋医学について】
私が大いなる理解と思いやりをもって言いたいのは、西洋医学は最も文明化されていない催眠術システムの一つだということです。高度に教育された西洋の医者たちは、原始的な呪医の小屋で鶏が「いけにえ」にされることを身の毛もよだつほどおぞましい目で見るのに、女性患者が二つの乳房を癌への「いけにえ」にすることを不可避の科学的行為と見なします。
医者たちは、ただ他の解決策が分からないだけであり、残念なことに患者の側もそうなのです。しかもあなた方の時代、医者は大いに高い地位にあります。彼らは原始的な社会を見ると、村人たちが呪医やヴードゥー教に支配されていると乱暴に判断を下します。
ところで、あなた方の社会の人々に対しては、自治体の公示を通じて年1回は健康診断を受けなければならない、さもないと癌になるなどと印象付けています。そしていずれは病気になるだろうから、医療保険を掛けておく必要があると痛感させます。
多くの場合、現代の医者は自分のわざを忘れてしまった未熟な呪医といえます。つまり、もはや癒しの力を信じていないだけでなく、あらかじめ診断した病気を暗示の言葉によって引き起こしてしまうような催眠術師なのです。
あなたは、どんな目にあうかを予告されます。つまり小さな村の部族と同じくらい、否それよりも遥かに強いまじないをかけられていて、おしまいには乳房や盲腸やどこかの部位を失ってしまったりします。もちろん医者たちは自らの観念に従い、その医療システムの中ではまったく正当で人道的な行為だと見なしています。
「まじない師」たちの元へは、望みを失った人々、どこへ行こうにも行く当てのない人々がたどり着きます。この「まじない師」の中にはひょっとしたら不誠実で厚かましい者もいるかもしれませんが、多くは直感的な理解力を備え、相手の観念を短時間で変えてしまうことによって、実質的に治療することができるのです。そうした人々は患者が適切な治療を受けるのを妨げていると、「医者」たちは言いたがるものです。
医者の世界ほど、自分の観念の影響力と直に全面的に向き合う世界はないでしょう。医者はもっとも健康どころか一番不健康です。彼らが心から情熱を捧げているその観念体系に取り込まれてしまい、健康にではなく、もっぱら病気に関心が集中しているのです。
つまり現代の医者たちもまた、自分自身の観念体系の犠牲者なのです。彼らは絶えずネガティヴな暗示の中に自分を閉じ込めています。病気を、わけもなく全体自己を襲う侵略者だと見なすと、個人の力では歯が立たず、意識など添え物にすぎないように見えます。患者自身や医者の観念のために、器官や組織を次から次へと犠牲にしなくてはならないかもしれません。
【医療保険について】
あなたは自分個人の観念の範囲ばかりでなく、もちろん集団的なシステムの中でも機能しています。あなたも多かれ少なかれ同意しているその組織の中では、ほとんどの人が医療保険を必要としているので、それを辞めなさいとは言いません。
しかし、医療保険というものを少し注意深く見てみましょう。あなたは自分がいずれ病気にかかるだろうと信じ、そのため前払いをしています。将来の病気に備えて、いま現在あらゆる手を尽くします。あなたは健康にではなく、病気に賭けています。
これは自然な催眠術の最悪な例の一つですが、あなた方のシステムの中で医療保険は確かに必需品です。というのも、あなた方の心的環境には、病気の観念が広く蔓延しているのですから‥。
多くの人々がそういう「保険」をかけた後で、病気になります。保険をかける行為そのものが、病気を受け入れることの象徴的な表明になっているのです。さらに不幸をもたらすのは、中高年向けに特別に開発された保険商品で、そこには健康と年齢に対するもっとも型にはまった、歪曲された概念のすべてが予め列挙されています。かけた保険の種類と、その後、罹る病気との間には、強力な相関関係があります。
その上追い打ちをかけるような暗示が与えられます。癌に対するキャンペーンのパンフレットやテレビの公共広告が、その一例です。そこには癌の七つの危険信号などが告知されています。残念ながらこういうものも、あなた方の観念の枠組みの中ではほとんど必需品になってしまっています。
これまでいくつかの病気を経た恐怖から理性を失っているような人々にとっては特にそうでしょう。そういう文字や言葉が強いネガティヴな暗示となり、自然な催眠術の性質に従って条件付けの手順を踏み、いいですか、ある特定の症状を探し、そして恐れの衝動から自分の身体を調べます。
すでにそのように条件づけられている人々は、パンフレットや広告を見ることで、そうでなければ生じなかったはずの癌を引き起こしてしまうことがあります。
その代わり、そういう人は別の病気にはならないかというと、そうではありません。これが意味するのは、病気に対する観念はそのような形で特定の症状に集中的にパターン化されやすいということです。
健康に保険をかけたいと思うことに何の不思議もありません。病気は外からあなたに押し付けられたものではないのに、あなたがそう信じている限り、病気をそういうものとして受け入れてしまいます。そして病気と戦う力は自分にはないと思うでしょう。
『個人的現実の本質 ジェーン・ロバーツ著』 より
※ 「大脳が、意識や心を生み出す」というのが、西洋医学の前提なのです。霊的な知識をご存じの方なら、前提条件が真逆であるとわかるでしょう。