持っているルアーが足りなくなったので、久々に釣具店を訪れてみた。お気に入りのルアーは、スカジットデザインズのバルサミノー、細かな動きで何度もボウズを解消してくれた。でもバルサミノーはなくて、樹脂製のジョイントミノーとシンキングミノーしかなかった。お店の人の話だと、金型の負担が厳しく、何年か前に倒産したとのこと。店頭在庫だけになったそうだ。バルサミノーは手作りでコスト高になり、最後は五千円になったと言う。残念。

 また、渓流のルアー釣りも様変わりしたと伺った。半世紀前は、スピナーを滝壺に落として深いところを引く、というスタイルだった。アブのドロッペンやフレックスが活躍した。十数年ほど前に再開したときは、ミノーをアップクロスに投げて、U字のように引いて浅瀬でも食いつかせる釣り方になっていた。バルサミノーはこの上流に釣り上がる方法を可能にした。最近はジョイントミノーで、同じポイントでずっとイワナやヤマメに見せ続ける釣り方が成果を上げているそうだ。一回のキャストで3分かけることもある。イワナたちも我慢しきれずにバイトしてくる。したがって上流から下流に釣り下がるスタイルになる。今後やってみよう。

 それにしてもこのルアーフィッシングでも、次々とイノベーションが繰り返しされていたとは驚きである。エサ釣りや毛鉤釣り、フライフィッシングなど百年ほど同じスタイルなのと対照的である。いたるところで試行錯誤してきた結果なのだろう。同じところでルアーを震わす、という発想は、昔だったらイワナやヤマメに見切られてダメと言われて遊びでやるぐらいだった。遊びは遊びなんだけど。常識は疑うものなんだ。

 というわけで、最近山間部によく行くので、今シーズンはいろいろ楽しんでみよう。ジョイントミノーを試してもたい。