観光都市の将来を考えてみよう。
伝統的な街並みで知られる高山市を調べてみた。高山市の観光客数は、2025年に約479万5千人を記録し、過去最多となった2019年の473万3千人を更新する見込みだと言う。市内で宿泊した人は232万4千人、このうち外国人宿泊者も過去最多の97万8312人(27.1%増)。外国人宿泊者数を国・地域別にみると、最多は台湾で11万9595人、中国は9万1906人、米国は5万8775人、スペインは5万2730人。日本人宿泊者は134万5688人(9.0%減)、日帰り客の総数は247万1千人だそうだ。観光都市として著しく成功したように思われる。
一方、高山市の人口は、市の推計によると、2025年の約78,000人から、2035年には約68,000人、2050年には約54,000人まで減少すると予測されている。高山市の面積は2,177平方キロメートル、2,194平方キロメートルの東京都並みの広さで、市外が人口増ということではなさそうだ。そうすると、髙山市は年に人口の60倍、一日当たり1万3千人もの観光客を集めているが、雇用に繋がっていないのだろうか。
日本の観光業はおおよそ4百万人の雇用をもたらすそうだ。これに対して対象となる年間観光客数は、日本人5億4千万人、訪日外国人旅行者数4千万人強。ざっくり計算すると、1年の観光客140人に対して雇用は1人という見当になる。髙山市は訪日外国人旅行者が多いので違いはあるが、この割合でいけば3万4千人の雇用ということになる。観光業はそれほど雇用を増やす効果はないのかもしれない。
街の魅力を高めれば、移住も増える。人口減少に直面した都市が、伝統的建造物を中心に街の魅力を高めて…と言う話はよく聞く。でもそれが観光客を集めるだけなら、雇用が増える訳でもないので人口回復には至らない。観光客が増えると、慢性的な渋滞や物価の高騰、特に地代の高騰も招くので、かえって移住には厳しくなる恐れのある。観光を地域再生に繋げられるのだろうか。