憲法記念日ということで、平和構築の考え方を改めて抜粋してみた。暗記してみよう。

  • 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
  • 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
と明快である。後年、繰り返しゲーム理論が証明したように、諸国民にとっては(軍産複合体ではなく)、長期的関係では裏切りやタダ乗りが損なので、不完全観測下でも協調が保たれることも証明されている。前文にあるように、諸国民の公正と信義を信頼する戦略が持続的に優位であり、前文の妥当性が理論的に裏付けられる。

 日本が侵略されたらどうする、という議論もあるが、前文にあるように、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、外交などで紛争を予防することが記されている。最近は中国の覇権や脅威が喧伝されるが、これも平和を愛する日中の国民の公正と信義の証である日中平和友好条約に照らせば、自ずから解消されるものだろう。


第一条

  1.   両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
  2.  両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
第二条

 

  • 両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

とこれも明快である。したがって台湾については、内政に対する相互不干渉という扱いになる。中国の南シナ海の覇権を問題視するなら、この条約に照らして覇権主義ではないよね、と相互で確認すべきものだ。当然に、航行の自由作戦と称して、この海域にアメリカが覇権を確立する試みにも、日本は反対を表明しなければならない。この日中平和友好条約を締結した田中角栄首相を、覇権国アメリカが手下の特捜部を動かして失脚させようとした理由も分かる。
 日本国民は日中関係においても、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する。理論的にも妥当である。安保法制や軍備増強など、これに反する法令や閣議決定は排除される。憲法や条約に従うことで対外政策も自ずから定まる。タイムマシンに乗ってチクタクチクタク、安倍政権以降の安保政策をなかったことしよう。