日本では選挙は公正ではないようだ。

 能登大地震で被災した珠洲市は、原発計画を阻止したことで知られる。でも、推進派と反対派の一騎討ちとなった1993年の市長選挙は、即日開票の結果、958票差で推進派が当選したと市選管は発表した。しかし投票総数が投票者総数より16票多いなどの問題が発覚し、反対派住民は市選管、次いで県選管に異議を申し立てたが却下される。そこで名古屋高裁金沢支部に訴訟を提起した。判決で明らかになった選挙不正の手口は


Ⅰ 不在者投票の悪用事由審査を怠る

  1. 立会人不在で投票を受け付ける
  2. 市選管の記名押印のない外封筒を請求者に送付する
  3. 転出者にも不在者投票を除外しない
Ⅱ 開票手続きを誤魔化す

  1. 責任者及び鍵管理者も不明な別室に保管し、専務従事者が権限のない第三者とともに閉じ籠もって、点検作業を行う
  2. 開票総数と投票者総数の一致も確かめず、早々に当選人を決定する
というものだった。原発が絡むと推進派は選挙不正も厭わない。投票総数が投票者総数より多かったから発覚したものの、そうでなければ追及は難しかったかもしれない。こんな手口であちこちで選挙不正が行われていることが疑われる。


 不在者投票が悪用される件では、同じ筆跡の投票用紙が連続することが映像で時々示されている。書く力がなくて代筆するから、という説明がよくなされるが、意思表示が難しい入所者に代わって施設側が不在者投票を請求し、施設側で一括して記名した例もある。開票ミスを選管が白票を水増しして誤魔化す例も少なくない。

 選挙管理委員会が偏向する例は、2011年の渋谷区議選にも見られた。これは渋谷区選管が1票差でみんなの党の候補者の当選を認めたのに、東京都選挙管理委員会が覆して当選無効を裁決したものだ。この東京選挙管理委員会の委員長は前渋谷区長の小倉基氏で、娘の村上英子都議会議員は自民党渋谷総支部支部長であった。一票足りなかったのは自民党の松岡前区議長であった。票読みや開票でしくじっても、選管で覆すという荒業があった。

 一票格差や高額の選挙供託金、戸別訪問の禁止、短い公示期間など、偏向した選挙制度も問題だが、選挙管理でもこんな不正が横行するとは、情けない国である。