コモンズルールによって、コミュニティからの働きかけとコモンズからの果実がバランスをとる条件を探ってみた。これは、働きかけに対する果実が随伴関手になる条件として言い換えられる。

 そうすると前提は、コモンズルールからコモンズへの関手が表現可能関手である、ということになる。つまり、ある基本ルール群があって、それからの修正とそのコモンズへの効力の変化とが同型である、ということになる。

 そして表現可能関手であれば極限を保存する。そして一般随伴関手定理によれば、極限を保存するということと、随伴関手であることは同値関係である。なので、ルール変更とその効力差が同型なら、コモンズへの働きかけと果実は均衡がとれる、ということが裏付けられる。

 たとえば、コモンローの構造は、この表現可能関手の前提を満たしているように思われる。均衡条件がこのように整理されると、コモンズルールのあり方がだいぶはっきりしてきた。