「宇宙戦艦ヤマト2199」 | 日日是祝日

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アニメの好きな知人らが、たいてい口を揃えて、

「これはいいよ。出渕さん大正解」

というので、初見を楽しみにしていた。

監督候補として、エヴァで有名な庵野秀明氏の名もあったそうで、それはそれで観たい気もするが、当時は劇場版のエヴァが忙しく手が回らなかったらしい。

これまでもさんざん新作が作られ、何かと話題にことかかないヤマトだが、第一作を超えて、

「これは良かった」

と思えるものは一つもない。

リメイクに当たって第一作が選ばれたのは当然だろう。

できればここで打ち止めにして欲しいが、人気が出れば白色彗星も暗黒星団帝国もアクエリアスもリメイクされるかもしれない。

で、知人はいいと言っていたが、第1話を観た限り、私としても、

(なかなかいいじゃないの)

という感じ。

冒頭、宇宙海戦における沖田艦長と古代守の男云々のやりとりが現代風に緩くなり、特攻シーンも旧作の見るからに悲壮感溢れるものから、歌を歌いつつ笑って死んでゆくという、そこはかとなく悲しさを訴える仕様に変わっていて、この辺も時代に合っていると思う。

戦闘シーンをはじめ、CG処理された宇宙船は美麗で、動きも旧作のドン臭さが消えてシャープで滑らかだ。

ただ、艦の動きが早く、まるで航空機のようなので、旧作の黒煙を噴き上げながらのろのろ航行するヤマトの姿を見慣れている目には、非常に違和感があった。

むろん無重力下では質量の大小は無関係なので、巨大宇宙戦艦が戦闘機並に敏捷なのも考証上は正しい。

ただ、アニメなのだから、その辺はうまく騙して欲しいと個人的には思った。

ヤマトという作品において、宇宙は空間ではなく海である。

ガンダム的な三次元の動きは敢えて封印したほうが、より艦隊戦らしさが出るのでは?

しかし、いまのところ気になるのはその点だけで、BGMもほぼ旧作通りのイメージ。

6連発波動砲やキムタクヤマトには絶句したが、今回のリメイクは次が楽しみだ。

火星から戻った古代と島が地下の防衛軍基地へ下りて行く場面はネルフだし、サーシャのコスチュームはやたらエロい↓

 

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スタッフの遊び心が随所にちりばめられていて面白い。

ただ、ヤマトといえば我々世代だとやはり松本零士のキャラクターなので、その点だけならゲームのアニメパートのほうがすんなり観られた。

いずれ慣れると思うし、新たな世代のファンを獲得するなら、松本キャラにこだわらない姿勢がかえって大切かもしれない。

先入観を持って観たくないので、一切情報は入れないつもりだが、旧作における数々の名シーンが今後どのように描かれるか非常に楽しみである。

 

 

特に沖田艦長は存在だけで涙が出る。

 

子供の頃は古代やユキが主人公に思えていたヤマトだが、今になってみると、沖田艦長が主役としか思えない。

先日亡くなられた納谷悟朗さんの名調子は忘れられない。

菅生隆之氏の沖田艦長が果たしてどこまで迫れるか、期待を込めて応援したいと思う。

菅生さんは、「ヒートガイジェイ」ぐらいしか知らないのだが、第1話を観た限りではさほど違和感なく演じておられた。

あの沖田艦長を演じるのだから、そのプレッシャーたるや相当なものだろうが、健闘を祈りたい。

 

 

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ついに最終回を迎えた「宇宙戦艦ヤマト2199」

結局、今期最後まで観続けられたアニメはこれだけだった。

他にもいくつか観ていたが、全部挫折した。

旧作が超ド級のメジャー作品なので、リメイクの企画があると知った時は正気の沙汰ではないと思った。

どう考えても無理筋だ。

あの泥臭い古典的SFアニメが、実写化はともかく、アニメとして今の時代に受け入れられるはずがない。

どうせリメイクするなら、もっとマイナーな、誰も知らないようなものをこっそりやればよいと思ったのだが、いまさらながらガッチャマンをやるし、キャプテンハーロックをやるしで、昭和アニメのリメイクが一種流行になっているらしい。

安易なリメイクは、常にオリジナルの感動をぶち壊す。

今回のヤマトもそうなるのではないかと危惧していたのだが、初回を観た時かなり気に入った。

多少現代的になって悲壮感が薄れてはいたが、概ねスタッフの旧作へのリスペクトが感じられる出来だった。

デスラーの声が山ちゃんなのは御愛嬌だが、太陽系を出るあたりまでは、ほぼ旧作を生かした作りになっていたと思う。

少しエヴァ色が強すぎるのが気にはなったが、それなりに「ヤマト」していた。

……が!

太陽系を出た後、まったく別物になった。

美形デスラーはラインハルトみたいだし、ユキとユリーシャはキエルとディアナだし、どこかで観たようなパクリの嵐。

それを悪びれもせず、堂々とやってのける根性にむしろ感心させられた。

最後は、めでたくアルカディア号となって地球に帰るという……旧作では死んだとみせかけ、映画で甦るという離れ業をやってのけた沖田艦長だが、今回も天晴れな離れ業を披露した。

まったく違う展開の中で、時々旧作の名台詞が飛び出して、妙に浮いていたりもする。

……とはいえ、沖田艦長の最期には、やはり泣かされた。

超美麗なグラフィックや、戦闘シーンの鮮やかさ、設定されている戦術の細やかさなどは、旧作をはるかに凌いでいたと思う。

小道具の使い方もうまかった。

まさか、真田副長に中原中也とは……。

大塚芳忠の声で、「汚れちまった悲しみに・・・」とやられた時は、参った。

2199年に文庫本が残っているのも嬉しい。

タブレットで電子書籍でもめくっていそうな真田と文庫本……座布団一枚!

どうせなら、「グスコーブドリの伝記」も読んで欲しかった。

あれは、科学で人助けをしようとする真田副長にぴったりの話だろう。

いろいろ違和感もあったが、リメイク作品としては出色の出来だったと思う。

ただし、一つだけ絶対受け入れ難い点があった。

おそらく誰もがそう思ったに違いない第二期OPテーマ。

「Fight for liberty」である。

 

 

なぜ、これがヤマトの主題歌なのだろう。

出来合いのこの曲がたまたま主題歌に選ばれただけかと思ったが、どうもそうではないらしい。

最初からヤマトの主題歌として作られたという。

いまのアーティストのヤマトへの理解というのは、こうなるのか。

この曲の何処に「ヤマト」を形作っている使命感や勇気、冒険心が垣間見えるだろう。

断っておくが、別に曲自体が悪いわけではない。

これが「ガンダム」なら、多分それなりに合うだろう。

平凡な少年がたまたま圧倒的な力を手に入れ、否応なく戦争に巻き込まれてゆく。

その中で、成長してゆく主人公……といったテーマなら、この歌はドンピシャ合うかもしれないが、ヤマトはそういうアニメではない。

ヤマトのクルーはみな滅亡寸前の地球を救うため、死をも恐れず未知の大宇宙へのり出す勇者たちなのだ。

旧作の主題歌は、その辺を実に的確に謳い上げ、作品内容を如実に反映した名曲となっている。

 

 

せめて、最終回ぐらいは前期OPに戻して欲しかったが、制作サイドはあくまで押し切った。

これはこれで、筋を通したといえるかもしれない。

しかし、カルマだかブルマだか知らないが、鏡の前に立っていつも自分を恨んでいたヤツの歌では違うのだ。