昔「雨の日には車を磨いて」というようなタイトルの、こじゃれた恋愛小説を読んだ。が、この話はそんな不条理かつ洒落た要素はない。

ただ、ただ、現実的かつ合理的な話だ。

 

なぜ雨の日にベランダを磨くか、その理由は現代人を悩ませる花粉にある

この時期の雨には、純粋な雨雲から生まれいでしH2O以外に大気中に含まれる

排気ガスPM2.5,そして花粉も含まれる。

そしてその余分なものをたぁっぷり含んだ雨水がベランダに降り込む。

 

ベランダがツルツルピカピカであれば、雨水もその余分な汚れも溝を伝って

排水口へ流れ、雨樋を伝って地上または雨水管へと流れ込む。

ところがベランダが汚ければ、こやつらはベランダに留まるのだ。

 

一見何の汚れもなさそうなベランダでも、洗濯物を干した後の細かな埃や糸くず、

髪の毛など、意外と溜まっている。

なので排水口までの溝を流れ良くするために掃除することは勿論のこと、床面の

掃除も馬鹿に出来ない。

花粉はそんな埃に付着して、窓を開けた途端室内へ流れ込むのだから。

つまり常に花粉が自分のベランダから発生しているようなものなのだ。

 

「ぶへっくしょいっ、ばーろー!」等々人には聞かせられないくしゃみを盛大に

かましつつ、その日は一日鼻水と涙に耐えなければならない。苦行である。

 

この仕組みに気が付いてから、私は雨の日にあえてベランダを磨くように

している。

元々雨で濡れているから水を撒く必要もほとんどなく、デッキブラシで奥から

ごしごしと擦るだけである。

内側の壁面もなんなら擦ってみる。

 

汚れがひどい場合は洗濯洗剤がおすすめである。

タイルが蘇ったかのように綺麗になる。

仕上げに2Lペットボトルに水を入れてさっと流せば、簡単なものだ。

 

この簡単な作業を晴れの日にすると、今度は大量の水を流す必要があり

これが結構手間なので、それも雨の日をお勧めするのも理由の一つだ。

 

花粉に悩む人は、だまされたと思って一度やってみてほしい。

本当にそれだけで室内に入って来る空気が違うから。

 

 

M社員