こんにちは!K社員です。
今回は、
「行き当たりばったりから学びと楽しみを得る」
と大層な題名なのですが、
実際のところは「中年男が勝手にひとり大はしゃぎするだけの日記」です。
ご容赦ください(あと長いです)。
先日、六甲山のホテルに宿泊する機会がありました。
行きは車に乗せてもらったので、帰りは六甲ケーブルを使って下に降りようと計画。
ホテルから六甲ケーブルの六甲山頂駅までの距離は2kmぐらい。
山頂駅までのバスもあるのですが、運動不足な私にとっては散歩がてら歩くにはちょうど良い距離です。
ジャケットにスーツパンツ、革靴を履き、ちょっとした荷物も持っており、散歩するような恰好ではありませんでしたが、せっかくなので六甲の美味しい空気を堪能しながら歩くことにしました。
チェックアウトしてホテルの外に出ると、まだ少し冷たい風が頬を撫でて心地よい。
六甲の新鮮な空気を深めに吸いながら歩きだします。
しかし、大通りに出ると、トラックなど作業車が頻繁に走っているため砂埃が舞い、たまに排気ガスを吸い込んでしまう。
また歩道も完全に整備されていないので、トラックが横切ると結構怖い。
曲がり角だと見通しが悪くて、トラックに轢かれかねない。
先ほどのテンションはどこへやら。
そんなところに案内看板がありました。
六甲ケーブル下駅に通じる道「アイスロード」というものがある。
遊歩道だろうか?
ここから六甲ケーブルの下駅までの距離は3.3kmの表示。
倍近い距離にはなってしまうが、トラックに気を付けながら大通りを歩くよりも、こちらのほうは車が入ってこれるような道ではないだろうし、のんびりと自然を堪能しながら歩く方が楽しいかも。
突然与えられた選択肢はどうしても魅力に感じます。
迷うことなく「アイスロード」に入る。
これは良い感じ。
景色も最高。
あちこちから小鳥の鳴き声が聞こえる。
気持ちよく足を進めていく。
ん?
・・・・・・。
勝手に遊歩道をイメージしてしまっていた・・。
普通に「けもの道」だ。
突き当りには廃墟になった民家があった。
そういえば、通りかかった住宅のほとんどが日常使われている気配がなかった。
石がゴロゴロあり、足元が悪くて歩きづらい。荷物も持ってるしバランスも取りにくい。
しばらくすると、ちょっといい感じの山道になってきた。
基本下り道なので、そこまで辛いわけでもない。
森林浴できるし、空気は美味しいし、ウグイスの鳴き声が聞こえてくるし。
だんだんと楽しくなってきた。
休憩地点?に到着。
後で調べて分かったが、当時ここには一息つくための茶屋があったらしい。
さすがに喉が渇いた。
もちろん自販機などあるはずもない。
しかし、私のカバンの中には・・・
ホテルの客室に置いてあった無料のミネラルウォーターを持ち帰っていたのだ(貧乏性)
先見の明がある自分を褒めてあげたい。
途中、アイスロードを登ってきた年配の登山グループとバッタリ。
挨拶の一つくらいはしておいた方が良いかと思い、すれ違いざまに挨拶しようとするが、
登山者A 「えっ、仕事中?」
登山者B 「通勤ですか?」
挨拶を交わすより先に、登山グループから質問攻めにあう。
先ほど申し上げましたが、私の服装はホテルレストランのドレスコードを突破できる服装をしています。 \(^o^)/(荷物付き)
すれ違う数秒だけで、なぜこうなってしまったか経緯を説明できるわけもないので、
「いえ、仕事ではないです。」
とだけ答えてすれ違う。
振り向かずともわかる、登山者たちの「ポカーン」とした顔(てか振り向きたくない)。
酔狂な人がいるもんだと、昼食の話題にでもして頂ければ幸いです・・。
しばらく歩き、小さな沢を横切る。
まさか、こんな格好で飛び石をする羽目になるとは。
飛び石に苔が生えていて滑りそうで怖い。
ふと見上げると、ナニコレ珍百景とかで見たことがあるような、「泣いている砂防ダム」があった。
しばらく歩くと、冒険心くすぐる洞窟の入り口っぽいのを発見。
後で調べたけど、洞窟ではなく六甲ドライブウェイの下をくぐるトンネルで、アイスロードの名所らしい。
天井は意外にも高い。
トンネル内に照明はないけど、出口が見えているので真っ暗ではないが、薄暗くひんやりとした空間で、車が通る音なのか不気味に重低音が響く。
昼間とはいえトンネルの途中で後ろを振り返る勇気まではない。
トンネルを出てから振り返って撮った写真。
登り方向だからなのか、こちら側から撮影された画像はネット上にたくさんあった。
なぜ、こんなところに現代建築物が?と思って写真を撮っていたが、後から調べたら、いまは廃墟となった「六甲登山架空索道(六甲登山ロープウェイ)」の跡地だった。
ついにアイスロード終了か?
舗装された道路が見えてなぜかホッとする。
アイスロードの案内看板。
「アイスロード」の名前の由来すら知らずに歩いていたわけだが・・・。
実にシンプル。
あの激しい山道を大八車引いて上り下りしたのか。
すごいな。
当時の「氷」は高価なものだったが、今となってはタダ同然。
今は高価なものでも、将来はタダ同然になるかもしれないものって何だろう?
もちろん、分かるはずもないし、答えは数十年先だろう。
でも、こういったことを思考する過程で、何かしらのヒントや気付きが得られることもある。
逆に、今はタダ同然でも将来は高価になるであろう物は何か?
と、考えるのも面白い。
実はこれは投資について考えるときに近い思考になる。
また、今は高くとも将来タダ同然になるものとして、「不動産」や「車」や「貴金属」と仮定してみて、その理由を考えてみるのも面白い。
などと考えているうちに、六甲ケーブルの下駅に到着。
阪急六甲駅行きのバスが待機していたので乗りこみ、椅子に座ったところで、自分の体の異変に気付いた。
足はガクガク、体はフワフワしている。
登山の下りは、精神的には楽だが身体的疲労は上りよりも溜まりやすい。
また登山事故は下山時に起こりやすいらしい。
怖いもの知らずとはいえ、よくもまぁ革靴で下山したものだ。
ほんと怪我しなくてよかった。 (後日、筋肉痛)
このような登山道であると知っていれば、選ぶことはなかった選択肢。
行き当たりばったりから生まれた発見と学び。
なによりも、ほぼフォーマルな服装で登山道を下山したという経験は、私の人生エピソードのひとつに刻まれ、
深みのある人間に一歩近づくはずもなく、只々楽しかった思い出として残る。
ええ、それで十分です。
皆さんも、時間に余裕のある時は「行き当たりばったり」してみてはいかがでしょうか?
※危険を冒せという意味ではないです