この日記を書いている10月29日の新聞。ハマスによる攻撃から3週間。激化するイスラエルのガザへの攻撃。
毎日報道を見ながら苦しい思いで過ごしている。
パレスチナ・ベツレヘムに訪れた際に買ってきたパレスチナのアーティストが作成したアートワーク。みんな平和を願っている。
同じく現地で購入した本。良き時代の記憶からイスラエル入植地によって侵略されていくパレスチナの風景が描かれている、良い本だった。パレスチナ関連の本は宗教や政治が絡むので一般の人が手に取りにくいが、この本は「普通の人」の目線で書かれていて、日本人にもとっつきやすいと思う。誰か翻訳本を出してほしい。ただ、少し古いので加筆は必要だろうが。
加筆と言えばこちらも、2000年の第一版の出版からずいぶん時間が経っているので大量に加筆されての第二版。Amazonでは取り扱っていないので出版社から直接購入。とは言え2013年発行なのでもう10年経つ。
詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌとカラスとキツネのブロンズ像。Charles Correia(シャルル・コレイア)の作品でタイトルは「Hommage à Jean de La Fontaine(ジャン・ド・ラ・フォンテーヌに捧ぐ)」。
偶然頭の上に鳥が止まっていて、なんだかクスっと笑えた。
カモがいっぱい。
数は少ないけれど、そこそこ咲いている。
孔雀はたくさんいた。
カモの親子。
トリアノンもあったけど、写真に撮るのを忘れてしまった。
雨が降ってきたので退散。バスでパリ北駅に向かう。
まだ時間があるので、GoogleMapを開き周辺で一番美味しいパン屋を探す。
示された方向に向かって、北駅の横の細い路地を歩く。すると、強烈な尿の臭い!
路地を抜けた左側、そこはなんと「青空男子便所」!!!!!
建物でもない、ボックスにもなっていない、事実上の「たちしょん」スペースで、かろうじてコの字の囲いはあるものの、用を足している後ろ姿は丸見え!
しかも、そのスペースから路上に尿が流れ出ている!!!
信じられない!確かにパリのトイレは汚いし、これまで20か国近く旅してきて一番汚いトイレはパリ某所にあった「血塗られた」ならぬ「クソ塗られた」便所だったが、あれだって一応ボックスだったし扉はあった。
だが、この青空便所は、屋根も扉もない!尿はそこら中に流れ出ている!なのに、ちょっといい服を着たイケメン男性も平気で入って用を足している・・・・もうイケメンも信用しないぞ!
北駅は外観はカッコイイのに、汚い臭いで有名だが、住民は何とかしてほしいと思わないのだろうか・・・?
というわけで青空便所を横目で見ながら駆け足で通り過ぎ、パン屋へ向かっていると、あれ?なんか今、知っている人とすれ違った????
一瞬止まって考えると、あー、そうだ!昨夜モンマルトルでライブしてたChamだ!
思わず引き返して、「Cham!!」と声をかけた。
驚きの再会に思わずハグ!!!
昨夜、人混みに流されてしまってノーノーたちのところに戻れなかったことをノーノーに謝っておいて、と伝えた。ノーノーたちに別れの挨拶もできずにいたことをちょっと残念に思っていたし、もしかしたら心配しているかも知れないと気を揉んでいたが、これですっきりした。
その後無事にパン屋へ到着し、お土産用にパンをたくさん購入。
ケーキも美味しそうな店だったが、持って帰れないので断念。
いざ、シャルル・ド・ゴール空港へ。
今回はパリ祭、またコロナ後ということで観光客がものすごく多かった。空港への電車も、東京の通勤電車並みだった。おまけにエアコンが無いのか、あっても効いてないのか、とにかく車内は倒れそうなくらい暑かった。
私も重い荷物と暑さで汗が全身から噴き出て顔を汗が流れ、気が遠くなりそうだったが必死で耐えていた。両手は荷物でふさがっていてハンカチも出せなかった。。。。
すると、目の前で汗だくの私の顔をじっと見ていた黒人男性が、ボロボロのカバンの中から段ボールの切れ端を出して、私の顔をそっと扇いでくれた。
なんて優しい人なんだ!!
『ありがとう』と小声で言うと、彼はニッコリ笑った。東京の満員電車では考えられない優しい行為に涙が出そうになった。
列車が空港に近づくにつれて乗客の数も減っていき、やっと座席に座ることができた。
リュックを背負ったまま座った私に、向かいの男性が「リュック降ろしたら?」と言ってくれたが、降ろしたリュックを置く場所もないくらいまだ混んでいた。
男性は「どこから来たの?」と話しかけてきた。
「日本よ」と答えると、「日本は平和で良いところなんだろ?」と聞いた。
平和・・・・。確かに戦後「交戦」はしていない。侵略もしていない。そういう意味では、78年間戦争をしていないことは胸を張れると思う。
今回、パレスチナとキプロスという戦争や分断が続く2か国を訪れたことで、平和の尊さを再確認したし、日本がこのまま戦争をしない国でい続けてほしいと願うばかりだ。
良いところかどうか・・・は即答できない自分だった。さっきの人みたいにボロボロのカバンから段ボールの切れ端を出して汗だくの私を扇いでくれるひとなんて、日本にはいない。
空港へ無事到着。だが私の旅はそう簡単に終わらない(笑)
搭乗ゲートは16と言われたので16番ゲートの前で待っていた。搭乗券にも16番と書いてあった。しかし、待てど暮らせど案内が無い。それどころか、搭乗ゲートにそろそろ来るはずの飛行機の姿が無い。
アナウンスを待っていたが、それらしきアナウンスもない。
堪り兼ねて少し離れた案内版を見に行ったら、ゲートが30に変わったと書いてあり、しかももう搭乗が始まっていた!
大急ぎで荷物をまとめて重いリュックを背負い、手荷物を握りしめ、ゲート30へ走った走った走った!!
まだこんなに走れる体力が残ってたんだ~と感心するくらい全速力で走った!
何とか搭乗には間に合ったが、結局飛行機は2時間遅れで離陸。
イスタンブールで乗り換えだったが、そこでも走らされた。
乗り換えで走らされる、ということは、おそらく荷物は一緒には来ないな、と理解した。
色々しっちゃかめっちゃかで機内食ショットもブレブレだ(笑)
羽田に到着すると、案の定私の名前がボードに書かれていて、荷物はまだイスタンブールにあり、翌日の便で羽田に到着するので自宅まで宅急便で送ってくれるという。
重いリュックを持って帰らなくて済むのでラッキー!
とても身軽に帰宅した。
おわり。
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最近思う。パッケージ旅行の方が安く上がるかな・・・と。
しかし、私の旅は「何かが見たい」「何かを食べたい」が目的ではなく、どうやら「現地の人達と話す」ことを楽しみに行っているようだ。
そうであれば、たとえ無駄な時間が生じようとも、このまま手作りの旅で良いのだ。来年はどこへ行こうか。