何から運ぶ?荷造りのスタートライン

冷蔵庫・洗濯機が真っ先に新居へと旅立ったあと、次は「何を持っていこうか」と頭を悩ませるフェーズに突入しました。ただし、ここで一つ大きな前提があります。新居はまだキッチンリフォーム前。つまり、料理や食器まわりはまだ旧居で生活するしかなく、すぐには移せない。そうなると、持ち運びの優先度は必然的に「生活に直結しないもの」から、ということに。

そこで目をつけたのが、季節外れの洋服や寝具類。これなら当面使わないし、多少しわになっても問題なし。箱詰めしてそのままクローゼットにしまえば、荷物も片づいて新居の収納も少しずつ埋まっていきます。

洋服多めのスミ妻、カジュアル少なめのスミ

荷造りといえば、まず洋服。ここで夫婦の個性がくっきり出ました。スミ妻はおしゃれ好き。オンでもオフでも着こなしを楽しむタイプなので、洋服の数は相当なもの。しかも季節ごとに入れ替えるスタイルだから、夏物・冬物を仕分けしながら箱に詰める作業が大仕事です。

一方の私は、カジュアル服のバリエーションが少なく、「これとこれと…はい終わり」とあっという間に完了。箱にして2つ分くらい。差が歴然で、横でせっせと詰めるスミ妻を横目に「うちってミニマリストだったっけ?」と錯覚するほど。夫婦で同じ“荷造り”をしていても、ここまで違うと笑えてきます。

少しずつ、新居へお引っ越し

できあがった箱は、週末や空いた時間を使ってこまめに新居へ運び込みます。自家用車でピストン輸送すれば、引っ越し業者に頼まなくても十分対応可能。運んだ先では、そのままクローゼットに収めるので「荷物が積まれて散らかる」というストレスも少ない。

ただ、新居のリビングはまだ何も置いていない状態なので、がらんとした空間にぽつんと立っていると「本当にここに住むのかな?」という実感は薄いまま。反響する足音や、壁の白さがかえって“モデルハウス感”を強めていて、生活の匂いがしないのです。

“人の家感”が抜けない不思議さ

さらに面白いのが駐車場。新居の駐車場は旧居とは形も広さも違うため、車を停めるたびにまだ少し緊張します。自分の土地のはずなのに、なんとなく「人の家に停めさせてもらっている」感覚が抜けない。不思議なものです。

荷物を運び入れても、まだ生活の中心は旧居。だから「新しい家に来た」という感覚と「まだ借りているだけ」という感覚が入り混じっているのかもしれません。本格的に家具や家電が入り、キッチンが完成して、生活の匂いが漂い始めるまでは、この“人の家感”はしばらく続きそうです。

新居最初の荷物はまさかの冷蔵庫

二重生活の準備を進めていた私たちですが、実は真っ先に運ばなければならなかったのは冷蔵庫でした。理由はシンプルで、家電量販店で新しい冷蔵庫を購入した際に「古い冷蔵庫は下取りで引き取りますよ」と言われていたから。つまり、新冷蔵庫を搬入する日には、古い冷蔵庫を引っ越し済みにしておかないといけないわけです。

家電の入れ替えスケジュールに合わせざるを得なかったので、引っ越しの主役第1号が冷蔵庫になった、というちょっとユニークな展開でした。

プロにお任せが一番安心

冷蔵庫を動かすときに一番心配なのは「重さ」と「精密機械」という二つの問題です。無理して自力で運んで壁に傷をつけたり、内部の配管を壊してしまったら大損害。ここは迷わずプロにお願いしよう、という結論になりました。

さらに「どうせなら一緒にやってもらおう」と思い立ち、洗濯機の搬出入もセットでお願いすることに。結果として、冷蔵庫と洗濯機の2台を同時に運んでもらえる一人暮らし用の引っ越しプランに収まり、費用も割安になりました。

引っ越し業者はアートデリバリーサービスに決定

いくつかの引っ越し業者に見積もりを依頼して比較検討。その中で条件と価格がちょうどよかったのが「アートデリバリーサービス」さんでした。冷蔵庫・洗濯機のセット輸送がリーズナブルだったことに加え、搬入の丁寧さや評判もよかったので、ここに決定。

搬入の日はテキパキと作業してくださり、大物家電の引っ越しはあっという間に完了しました。搬入を見守っていたスミ妻も「これは納得」と満足げ。冷蔵庫と洗濯機、やっぱり素人ではなくプロに任せるのが正解でした。

そして新居へ…

というわけで、新居に最初に運び込まれたのは冷蔵庫と洗濯機。なんだか新生活の象徴のようですが、実は新居で使う冷蔵庫ではなく、旧冷蔵庫のほう(笑)。新しい冷蔵庫の搬入に備えて、とりあえず居場所を確保するために先にやってきた「仮の主役」だったわけです。

それでも、がらんとした新居に家電が置かれると「ここから暮らしが始まるんだな」と実感がわいてきます。二重生活のスタートは冷蔵庫と洗濯機から。なんだか象徴的な船出でした。

二重生活のはじまり

キッチンのリフォーム工事は、引き渡しからおよそ1か月後。つまり、完全に新居で暮らしはじめるのはその工事が終わってからになります。となると必然的に、この1か月は「今住んでいる家」と「新居」の二重生活。なんだか映画のタイトルみたいですが、現実です。

これはある意味ありがたい状況で、引っ越しを慌てて一気にやらずとも、落ち着いて荷造りができます。荷物を少しずつ分けて運びながら、今の生活も確保できる。段ボールに囲まれて寝起きする必要がないのは、精神的にもだいぶ楽です。

荷物リストと作戦会議

では具体的に何をどう動かすのか。まずは現状の「大物家具・家電リスト」を書き出してみました。

  • ドラム式洗濯機

  • 冷蔵庫

  • ダイニングテーブルセット

  • テレビ

  • 電子レンジ

  • カラーボックス類

  • 洋服一式

こうしてみると、引っ越し屋さんに頼まないと厳しいものと、自力で運べそうなものがはっきり分かれてきます。

洗濯機と冷蔵庫は、重量級の絶対プロ案件。搬出や設置で素人が挑むと腰を壊す未来しか見えません。ダイニングテーブルセットもサイズ的に微妙なライン。テレビと電子レンジは、慎重に扱えば自分たちでも運べそう。洋服とカラーボックスは車でピストン輸送すれば大丈夫そうです。

夫婦で意見が割れる

ここで問題発生。私は「できれば大物はプロにお願いしたい派」。引っ越し屋さんは高いけど、怪我したり家を傷つけたりするリスクを考えれば保険みたいなもの。

一方、スミ妻は「できるだけ自分たちで運びたい派」。理由はシンプル、「節約」です。頼めば頼むほどお金がかかるんだから、持てるものは自分で持とうじゃないかと。

「このサイズなら私も持てるって!」
「いやいや、怪我したらどうするんだ」
「洗濯機はさすがに頼むけど、テーブルくらいなら…」
「テーブルって意外と重いし、壁こすったら泣くよ?」

こんなやり取りを繰り返し、ちょっとした口げんかになるのはお約束。これぞまさに「引っ越しあるある」ですね。

作戦の落としどころ

結局のところ、洗濯機と冷蔵庫は引っ越し屋さんにお願い、テレビ・電子レンジ・カラーボックス・洋服類は自力で少しずつ運ぶ方向に落ち着きそうです。ダイニングテーブルセットはまだ協議中。私としては「プロ案件」に入れたいところですが、スミ妻は「まだ結論は出してない」と。

こうして我が家の二重生活は、荷物をめぐる小さなバトルを含みつつスタートしました。