住宅の天井の高さや寸法について #2 | ハウスクリエイト 熱血社長の木の家ブログ

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住宅の天井の高さや寸法について #2

理想的な天井高はどの程度か?


だれもがみとめる20世紀建築における最大の巨人ル・コルビュジエが、独特の人体に則した寸法システム「モデュロール」を考案しました。
日本には尺貫法という日本人の身体感覚に合った固有の寸法体系があります。
天井高さは、空間を規定する重要な要素であるため、身体感覚から導かれた尺貫法を用いたいと考えます。

私たちハウスクリエイトは、まずは平面計画から着手し、その上に高さ(断面)を肉付けし、実現可否を法規に照らすという順序で「高さ」を決めています。
天井の標準高さを2250㎜として、そこから、敷地や建築主の要望に応じ、前後150㎜きざみで天井高を変えています。
建築基準法では、居室の天井高が平均2100㎜以上と定められているので、水平天井では2100㎜を下限としています。
ただし、吹抜け天井やスキップフロアの場合を除き2400㎜以上はほとんど採用しません。勾配天井の場合は2100㎜を下回る1800㎜を天井高の下限とすることもあります。
では、なぜ150㎜ピッチで天井高をきざみ、標準を2250㎜としているのか。
日本には尺貫法という日本人の身体感覚に合った固有の寸法体系、身体感覚から導かれた尺貫法があり、それを用いて1間(1820㎜)を基準として、そこに1尺(303㎜)を加えると約2100㎜、2尺(606㎜)を加えると約2400㎜となります。
メインの居室で2100㎜を天井高の標準とすると低く感じ、一方、2400㎜では都市部の斜線制限が厳しくかかる立地の場合、成立しにくい。そこで、さらに0.5尺(役150㎜)だけ刻んで2250㎜を標準としていきます。
開口部(特に掃き出し窓)の高さも天井高を基準にフルハイトから150㎜きざみで設定していきます。

フルハイトサッシ


私たちは部屋には、その広さに合った天井高があり、開口部の大きさに応じた「ひき」というものがあると考えます。

「ひき」とは、奥行きやプロポーション、内外のつながりなどを踏まえた総合的なバランスです。ひきが小さければ、開口部も抑えた方がよいし、内外の連続性を表現するにはフルハイトサッシにする場合もあります。
また、天井高いっぱいのフルハイトサッシを採用せず、150㎜程度の垂壁を設ける開口部も多くあります。
垂壁に影が落ちることで、室内に落着きをもたらすと考えるからです。
垂壁は、天井面と開口部の縁を切り、それぞれが備える水平性を際立たせることができ、よりメリハリの強い空間をつくりだします。
開口部の高さにはバリエーションが多いです。

和室サッシ

量産型住宅の天井の高さはどうなのでしょうか?
現場では部屋の天井を石膏ボードで施工したのちに、壁の石膏ボードを施工します。
石膏ボードには3尺x8尺というサイズがあります。(910x2440)これを無駄なく使えば、天井高は240cmとなる。
いちいち2枚張らないでいいし、ジョイント部分の補強の下地胴縁が不要になる。
量産型住宅の天井高は この施工上の合理性によって決まったように思われます。