こんにちは。日々暑くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか?

今回はタイトルにある「越境がある場合の土地の取引」について書いてみたいと思います。

 

 

 

 

購入する敷地に隣地からの越境物があるケース、よくあります。

こういう場合、売主側の対応は

 

①隣地の所有者様と話し合って、越境を解消する事で対応

②隣地の所有者様との覚書で対応

③何もしない

の3点かと思います。

 

 

①であれば、一番すっきりします。でもお互いに生活しているとなかなか難しい・・・

民法も改正されたので、枝など植物系は問題なくできそうですが、屋根や外壁の越境だと簡単に解消はできません。

故に②の「覚書での対応」が一番良く使われている対応かと思います。

 

覚書を取り交わしておけば、買主様、隣地所有者様双方にメリットがありますので最善の対応法だと思います。

では、②の覚書が交わせない場合(どういう場合に発生するかというと所有者不明のケースなんかが多いです。いらっしゃるのに取り交わせない場合は他の意味で問題がありますが今回はそれに関しては述べません)、あるいは③の何もしてくれない場合、どうなるか。

 

2つ買主にデメリットがあります。

1つめは、「越境部分を建築の敷地として算入できない」です。

100㎡の土地を購入しようとして、屋根の越境が10㎡ある、となった場合、90㎡に対しての建築面積で計画する必要が出てきます。

予定していたお家がたつかどうか、という問題が出てきますよね・・・

 

2つ目ですが、これが直近でよく問題になる「金融機関が融資をしてくれない」、です。

ここ1年、越境がある場合の金融機関の判断はかなりシビアで、解消或いは覚書での対応ができない場合は融資不可になるケース多いです。

 

以前は、軽微であれば融資は通るケースが多かったですが、最近金融機関・保証会社の対応は変わっています。

契約時に、越境に関する記載があり、対応に関する記載がない場合、買主様はご自身が利用される金融機関に事前に確認が必要です。

 

覚書か解消での対応が記載されている場合は、それが出来なかった場合の取り扱いに関して契約書に記載されている必要があると思います。

ちなみに、越境があるかどうか微妙な場合、越境を測定しなければなりませんが、結構大ごとで費用がかかります。

越境部分にかかわる境界が確定していることが必要なので「確定測量」あるいは「確定測量に近い作業」が必要になります。

 

更に越境測定を測量士に依頼しなければなりません。

越境に関してあいまいな記載であれば、「越境があるか無いか」を明確にする、そしてその対応はどうするか、費用負担はどうするか、までは売主買主でお話し合いをしたいところです。

このあたりがクリアできて問題なくお引渡しを受けることができれば、買主様ご自身、近隣の方が、安心して住んでいくことができる、良い土地になるかと思います。

 

今後もネットや雑誌、無料相談所では教えてくれない役立つ情報を発信していきますので

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

 

                                                                                                                                               伊藤 英浩