さて、フィンランド空気を吸った影響なのか(実際に居たときははっきりと思わなかったけれど、後からじわじわきているのかな)、今かなり真面目に部屋の収納やレイアウトを見直そうとしております。ついでに金の使い方も…って、むしろそっちをめちゃめちゃ急げよ!って感じですが。
まあ直接的にはananの最新号(「超収納術」特集)を読んだからなのですけど、これまでも収納や素敵インテリアの本はわりと読んでいたのですけど(ジュウ・ド・ポム系の外国インテリア本が大好きだ。都築響一の住宅本も)、そして何度も「ま、住めればいっか」とザセツしてきたけど、今回はかなり真剣。
森三中の黒沢みたいに、恐ろしく部屋が汚いキャラというのもそれはそれで魅力があるけど(笑)、わたしがやっても魅力にはならんからなー…。


外観もすっきりとした(ヘルシンキはクラシックなヨーロッパ風建物ですが)集合住宅の窓辺に、電気の燭台が飾られているさまをあちこちで見て、ああ、きっとこの窓の中には暖かな生活があるのだろうなあ…と羨望にも似た気持を覚えたのですよねー。
わたしの勝手な解釈ですが、夜が長いから、そして寒いから、こっちの人たちは生活をいかに快適にするかということに力を注いでいるんじゃないか。だからデザインというものにこだわり、デザインと生活とは切実に結びついているのだろう、と。


正直、フィンランドだから、北欧だから、そこら中にかわいくてデザイン性が高くお洒落なものにあふれている、ってわけでもないのです(あくまで個人の感想ね)。
パリやニューヨークですらもそうですが、買い物(ブツ)については、東京が頭ひとつ抜けているとわたしは思います。ヘルシンキでも、買い物していて「うわー何もかもオシャレすぎ!!」とまでは思わず、おかげでバカみたいにカードを切って買い物するような事態には陥らず、助かりました。
ただ、もっと大きな枠で見ると、デザイン大国といわれるゆえんが、何となくわかる気もするのです。
例えばIttalaのアアルトベースがその辺のスーパーでも売られていたりして、いわゆるおしゃれデザインものも、「オシャレですよ!」と主張する感じではなく、当たり前に、フツーに溶け込んでいるそののんびりさ加減に和みます。
なんか、日本だと「オシャレ」と「非オシャレ」の見えざる壁を感じるんだよなー…。「すみません、わたしみたいなゾウリムシがこのエリアに入ったらダメですよね…うじうじ」とか思ってしまう感じ?(苦笑)。
ヘルシンキ郊外に、ミュールマキ教会という超ステキな現代建築の教会があるのですが、そこだって住民の集まるフツーの(日常の)場所なんですよね。おしゃれで先鋭的なデザインも、一般庶民みんなのものっていう敷居の低さがいいなあ、と。
デザインとは生活そのものなんですね。


放浪乙女えくすとら-RIMG0594 雑貨店「アーリッカ」のショウウインドウ。

まあわたしは、いつここから去るかも知れない賃貸暮らしなので、部屋に凝りすぎるってのも何だか違うけれど、最低限、快適と思える空間をつくることにいま、興味がむくむくと、そりゃあもうむくむくと湧き上がっているのです。
例えばかわいいものを持っていても、それがぜんっぜん部屋の中に活かされていないわけです。棚の上にかわいいアクセサリーや雑貨を並べるだけでも部屋が明るくなりそうなのに、肝心の、並べる場所っつうのがないんだよ!(涙)そういうの、なんか悲しいじゃん…。


それにしても、いったい何がわが部屋を狭くしているのか?
モノが多いということはもちろん!大前提としてあるけれど、よくよく考えたらわが家には家具がほとんどありません。
以前、シェアハウスに住んでいた頃に唯一の家具として買った、昔の収納付きコーヒーテーブル?と、卓袱台と、姿見と、アメリカ製ということ以外よく分からない収納箱。あとは洗濯機と冷蔵庫。
「その家具で、20平米あって、何で部屋が狭いわけ!?」と友人にも驚かれましたが、確かに、何でだろう???


と考えた結果、むしろ家具がないことが部屋を狭くしているという結論に達しました。
つまり、もともと大して広くもない部屋の収納には、高さを取り入れないと限界があるわけですね。実際、5畳程度のワンルームで収納もロクにない部屋に住んでいるという別な友人は、とにかく高さを使わないと収納はムリ!と云っておりましたっけ…。
"高い家具を置くと部屋が狭く見える"という、インテリアにおける常識のような認識に縛られ、例えばこれまで、でかい本棚を買うことに対してかなりの抵抗がありましたが、そうじゃなかったのね、と。実際、いま、棚がないために大量の本がダンボール収納or床にタワー置き(しかも九龍城なみの無秩序さで!)という不便極まりない状態なのです。
IKEAのデザイナー曰く、壁面収納にした方がかえってすっきり見えるとのことですし、思い切って大容量の本棚を導入して、あわよくば恵文社の本棚みたいに、興味と興味がうまくリンクするような並びにできたらサイコーだな、と夢想中。
というわけで、お給料が入ったらIKEAにでも行って物色したいと思います(また買い物!!)。


放浪乙女えくすとら-RIMG0087 ロヴァニエミの集合住宅。