よくよく騒音に悩まされる物件である。


2週間前の週末の朝、突如としてアパートの修理工事が始まった。
休みなので朝は当然惰眠をむさぼっているわけであるが、壁やら屋根やらを叩きまくる音で目が覚めた。何なにっ?!何が始まったの!?今にも部屋が破壊されそうな勢いに、さすがに起床する。
とりあえずテレビを付けて気を紛らわせようとするものの、音はますます激しくなる一方だ。隣人対策に買ったシリコン製の強力耳栓をするも、破壊音はいとも容易に耳栓をすり抜けてくる。


耐えがたくなり、窓を開けて外を窺ってみると、やっぱりうちだった。アパートは何棟かが同じ敷地内に存在しているのだが、隣の棟でもなく、完全にうちの棟。下が倉庫になっていて、そこを工事してるっぽいのだ。
休日の優雅で貴重なひとときというのに、あかん、まっっったくくつろげん!とイライラしていたら、なんと、例の不気味な隣人が、たまりかねたらしく、すごい勢いで部屋を飛び出し、怒鳴りこみに行っていた。耳栓のせいではっきり聞こえなかったのが残念だが、どうやら工事の人にえんえん叱責してたみたいだ。やっぱこいつ怖えな~;ってか、あんたの足音の件はどうなの?とか思いながらも、このときに限っては同感だったのでよくやった、と思った。


幸い、その日は昼から出かける用事があったので、騒音の被害は2時間程度でまぬがれた。
そして夜帰宅したら、ポストにペラ一の紙が入っていた。
「このたび、○月×日から××棟と☆☆棟倉庫の工事を行うことになりました。皆様にはご迷惑をおかけしますが…」
大家からだ。怒鳴られたからって急にこしらえたっぽいな~……。誰も文句云わなかったら告知もなかったんだろーか。さすがにそれはないか……。
しかし、よくよく文面を読むと、なんとこの工事、8月中旬までやるらしいじゃん!!!ってことは、それまで毎日こんな感じなワケ!ですか?!


……毎日こんな感じみたいだ。
毎朝毎朝、胸を抉るようなドリルやカナヅチの破壊音で目が覚める(あと、工事の人たちの声もけっこうでかい!)。いや、たまにない日もある気がするけど、破壊音で起こされるときの衝撃がでかすぎて、ない日のことなど思い出せない。
もしかしたら、人のいない時間を狙って工事しているのかも知れないが、残念なことにわたしは仕事柄、出勤時間が人よりも遅く、起床はだいたい9時半くらいである。
……だけど、今日は8時過ぎにはすでに工事始ってたよ!?またその音で起こされたもん!!!8時だったらまだ、家にいる人もいるんじゃないの!?


隣人の謎の生活音とはまた違ったストレスである。
生活音は生々しいので心理的な恐怖(妄想とか)を呼び起こす。破壊音は無機質な分、慣れれば気持ち悪くはないんだけど、何せボリュームがでかいので、やっぱりこれも心理的負担が尋常じゃない。いや、物理的に心臓に負担がかかっていると思う。音の人体実験の部屋にでも入っているよーな感じとゆーか。
最初はそれでも、慣れるかなと思って気にしないことにしていたが、今朝の騒音で軽く心臓に負担がかかったような気がしたので、ここにネチネチと書いてみた(暗い復讐……)。
ほんと、家賃を下げて欲しいくらいだけど、そういう交渉ってできるんだろーか。せめて菓子折りくらい持って来て、ちゃんと誠意を見せてくれないと、なんか理不尽でスッキリしない。


あ、騒音と云えば、隣人の生活音から恋に落ちるとかゆー映画(『おと・な・り』というタイトル)が、もうすぐ公開されるみたいね。しかも、監督の実体験がベースにあるらしい……。どんだけ前向きな内容なんだ(笑)。
そりゃ、岡田くんみたいな人が隣に住んでるなら、生活音も、一挙一動すべて愛おしいかも知れんが。
ま、洗濯機の震動で抗議に来られたときの印象だと、2000%恋に落ちることはなさそーだ……(苦笑)。