〈善男善女の願いを込め、続けられる例祭の護摩法〉
福島で出会った自衛隊員から話を聴いた。
南スーダンへの派兵は、自衛隊からの離脱者を続々と生み出している。
たまりかねた政府は、戦死した場合の弔慰金を6千万円から9千万円へ引き上げ、指示通り「駆けつけ警護」に当たれば1日2万3千円を支給するという。
しかし、現場の本音は、金銭などではごまかしきれない問題の核心を衝いている。
Aさんは日本を守ろうとして入隊した。
もちろん、見知らぬ外国で戦死するつもりなどまったくなかったので、現在の自衛隊の動きは想定外だ。
それに、現場ではたらく日本人から求められていないのに、戦闘要員として出兵させられることにも納得できない。
災害時に請われ、丸腰ででかける時のような使命感を持ちようがない。
国会では、南スーダンは戦闘行為が行われていない安全な場所だから、武装した自衛隊が出かけても安全だという議論が繰り広げられている。
そもそも安全であれば軍隊は不要なはずだし、スーダン出兵がどうして国是である専守防衛になるのか。
納得できないので、いくらお金を積まれようが自分のいのちはかけられないし、仲間がいのちをかけることにも耐えられない。
もっともだと思わされた。
次の話には胸を衝かれた。
隊員は口を閉ざしたまま、共通のイメージを持っている。
それは、最初に出る犠牲者はきっと、撃つ前に撃たれるということだ。
厳しく訓練された隊員は、必ず命令で動くし、命令されないことは勝手にやらない。
一方、戦闘が起こる時、撃てという命令は必ず、危機的状況から遅れて出されるだろう。
一発の発射が日本という〈国を背負った行為〉になることをよく知っている優秀な隊員たちは、自分のいのちに危機が迫ったからといって、指揮官でない者がバラバラに判断をくだすことはないと、互いに信じ合っている。
だから、きっと、射撃命令が出る前に撃たれてしまうだろうというのが、若いまじめな隊員たちの共通認識だという。
涙が流れた。
現場の隊員たちにとって、これほどまでに切羽詰まった出兵であることを、どれだけの国民が認識しているだろう?
安全な場所に征くのだから大丈夫だと主張している人々へ、〈真実を知って出かける〉彼らの本音を聞かせてやりたい。
あるいは、崇高な理想を諦め、安定した収入を捨ててまで〈辞めないではいられない〉彼らの本音を聞かせてやりたい。
しかも彼らは、やがて生じるであろう犠牲者が軍神として祭り上げられかねない日本の空気に恐ろしさを感じ、固唾を呑んで仲間の無事を祈っている。
砲弾の飛び交うアフガニスタンでさまざまな活動を行ってきた医師の中村哲氏は「ペルシャワール会報」の10月5日号で述べた。
「『テロとの戦い』を声高に叫ぶほどに、犠牲者が増えました。
そして、その犠牲は、拳をあげて戦を語る者たちではなく、もの言わぬ無名の人々にのしかかりました。
干ばつに戮れ、空爆にさらされ、戦場に傭兵として命を落とす──アフガン農民たちの膨大な犠牲は、今後も語られることはないでしょう。
私たちは、このような人々にこそ恩恵が与えられるべきだとの方針を崩さず、現在に至っています。
多くの良心的な人々の支持を得て、事業は着実に進められてきました。
PM5は、誰とも敵対せず、仕事を進めてまいります。」
彼らの地道な活動こそが、世界における日本の信用と価値を守っている。
彼らは、自衛隊に来てもらいたいとは決して言わない。
武器を持った敵対行為こそが最も危険であると、骨身に沁みて知っているからだ。
南スーダンの気温は35度前後だが、作業現場の体感気温は50度にもなるらしい。
日本の若者たちはそこへ征く。
武器を携えて……。
これからの日本を背負う若者が、戦争に加担するか、それとも無職になるかと悩んでいる姿はあまりに痛々しく、こうした日本をつくった世代の一員として、詫びる言葉も見つからなかった。
原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
般若心経の音声はこちらからどうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
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「のうまく さんまんだ ばざらだん かん」※今日の守本尊不動明王様の真言です。
どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M