
寺院や寺子屋 ではもちろん、戦前まで広く親しまれていた漢文の『法句経 (ホックキョウ)』を読んでみましょう。
戦場へ赴く若者が懐へ忍ばせていたという話も聴いています。
当山では、寺子屋 やNHKの講座で読み通しており、学びの柱として欠かせません。
小生の土台はこの教えによってつくられました。
どれか一句でも、皆さんの心へピンと届くものがあればありがたいことです。
新たになった読み下し文を意訳してみましょう。 (「新国訳大蔵経」によります)
前回に続き【教学 品(キョウガクホン)第二】です。
〔四一〕学ぶには当(マサ)に先(マ)ず解(カイ)を求め、観察(カンザツ)して是非を別(ワカ)つべし。諦(タイ)を受ければ応(マサ)に彼(カ)れに誨(オシ)うべく、慧(エ)あるも然(シカ)くして復(マ)た惑わず。
(学ぶには、まず、自分が持っている疑問を解き、自分で是非を判断できるようにならねばならない。真理 を会得したならば他者へ教えることができる。智者は自ら立ち、惑わぬ者となっている)
〔四二〕被髪(ヒハツ)して邪道(ジャドウ)を学び、草衣(ソウエ)しても内に貪濁(ドンジョク)あり。曚曚(モウモウ)として真を識(シ)らざること、聾(ロウ)の五音(ゴオン)を聴くが如(ゴト)し。
(髪を振り乱して邪道を学び、隠者らしい粗末な服装をしていても内心には貪りの汚れがある。心が確かでなく真理 を知らないのは、聾者が声音を聞き分けられないようなものである)
〔四三〕学びて能(ヨ)く三悪 (サンアク)を捨(シャ)し、薬を以(モッ)て衆(モロモロ)の毒を消す。健夫(ゴンプ)の生死(ショウジ)を度すること、蛇の故(フル)き皮を脱するが如(ゴト)し。
(学んで貪・瞋・癡を離れるのは、薬によって、毒が全身へ回るのを防ぐようなものである。強い意志で修行し、生き死にの苦を克服するのは、ヘビが脱皮して古くなった皮を脱ぎ捨てるようなものである)
〔四四〕学びて多聞 (タモン)にして、戒を持(ジ)して失わざれば、両(フタ)つながら世に誉められ、所願は得(エ)らる。
(よく学び、戒めを守って保てば、現世でも来世でも称賛を受け、願いとする誓戒は具わる)
〔四五〕学びて寡聞(カモン)にして、戒を持すること完(マッタ)からざれば、両(フタ)つながら世に痛みを受け、其(ソ)の本願を喪(ウシナ)う。
(あまり学ばす、戒めを守りきれなければ、現世でも来世でも非難を受け、願いとしているものは成就できない)
〔四六〕夫(ソ)れ学ぶに二有り、常に多聞 (タモン)に親しむと、安んじて諦(ツマビ)らかに義を解(ゲ)すとなり。困しむと雖(イエド)も邪(ヨコシマ)ならざれ。
(学ぶには二面がある。たくさんの教えを聞くことと、心を安定させて教えを理解することである。二つの修行が苦しかろうと、邪道へ行ってはならない)
〔四七〕稊稗(タイヒ)の禾(イネ)を害するが如)、多欲は学びを妨(サマタ)ぐ。衆(モロモロ)の悪を耘除(ウンジョ)せば、成収(セイシュウ)必ず多(オオ)からん。
(いぬびえと草びえが稲の生育を害するように、仏法以外のものへあれこれ関心をめぐらせれば肝心の学びが妨げられる。雑草を抜くように悪しき欲を取り除けば、実り多い収穫となる)
〔四八〕慮(オモンバカ)って後(ノチ)に言い、辞(コトバ)は強梁(ゴウリョウ)ならず。法説(ホウセツ)と義説(ギセツ)、言いて違(タガ)うこと莫(ナ)し。
(深く思慮してから話し、言辞は強く荒々しくないようにせよ。そうすれば、真理 についても教義についても、説法 に誤りはなくなる)
〔四九〕善(ヨ)く学びて犯すこと無く、法を畏れて暁(サト)く忌(イミ)す。微(ビ)を見る知者は、誡(イサ)めて後(ノチ)の患(ウレ)い無し。
(よく学んで戒めを犯さず、真理 に畏れを抱いて賢く自分の愚かさをはばかる。見つけにくい真理 がわかった智者は、自分を誡めて後顧の憂いをなくす)
〔五〇〕罪と福を遠く捨て、務(ツト)めて梵行(ボンギョウ)を成(ジョウ)じ、終身自(ミズカ)ら摂(オサ)む、是(コ)れを善学(ゼンガク)と名づく。
(娑婆での罪を離れ福を求めず、仏道修行に励み、一生、自分自身を統御する、これを善く学んだ者すなわち長老と名づける)
原発事故の早期終息のため、復興へのご加護のため、般若心経の祈りを続けましょう。
般若心経の音声はこちらから どうぞ。(祈願の太鼓が入っています)
お聴きいただくには 音楽再生ソフトが必要です。お持ちでない方は無料でWindows Media Player がダウンロードできます。こちらから どうぞ。
「おん ばざら たらま きりく」※今日の守本尊千手観音様の真言です。
どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0
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