お大師様が説かれた密教の精髄です。

「加持(カジ)とは如来の大悲と衆生(シュジョウ)の信心とを表す。
仏日(ブツニチ)の影、衆生の心水に現ずるを加(カ)といい、行者の心水よく仏日を感ずるを持(ジ)と名づく」

「加持」という言葉は、大日如来の大きなお慈悲と人々の信心とを表しています。
 水が陽光を受けてきらめくのと同じく、大日如来の太陽のようなお力が人々の心へ届くことを「加(加わること)」といいます。
 水がきらめくのと同じく、大日如来のお力を心がしっかり感じとることを「持(持つこと)」といいます。
 ご加持は密教の特徴的な修法です。
 行者自身が修法によってご加持の世界へ入る方法もあれば、体調回復や因縁解脱などを願う方と一緒に、ご加持の世界へ入る方法もあります。
 いずれの場合も、お慈悲の力と一体になるので、行者も願う方も即身成仏(ソクシンジョウブツ)し、道場は体験者のみに実感可能な異次元へワープします。
 
 ちなみに、詩人のワープは、こんな具合です。

「銀河」より ─水沼靖夫─

 銀河は死んだ乳児の集まるところだ。
 その河に流れるという乳を飲みたい、といって集まってくる。
 年々、銀河の光は薄くなっている。
 星々は離れて行くのだ。
 離れるにつれ、闇が広がる。
 流域がふえ、河に入りやすくなるが、流れは見えにくくなる。
 俺達の死んだ児も、濃い乳の流れをさがして、あの流域を歩いているのだろうか。
 渡る瀬が少なくなり、難儀しているだろう。




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