三陽の合病
〇三陽の合病 ・太陽、陽明、少陽の脈状や病証が同時に出現し、三者の脈状や病証を兼ね備えた病をいう (病証) ・腹満身重して転側し難い ・くちが不仁 ・面垢 ・譫語 ・遺尿 → 上記の病証を発汗すると譫語し、下すと額上に汗を生じて手足が厥冷する ・脈浮大で関上を上がる ・睡眠を欲する ・目を合わせると汗が出る ・陽明の中風 ・口苦 ・咽乾 ・腹満 ・微喘 ・発熱 ・悪寒 ・脈浮緊 ・陽明病で脈が浮緊 ・咽乾 口苦 ・腹満に喘する ・発熱して汗が出る ・悪寒 せず悪熱し身重する ・陽明の中風 ・脈 弦、浮、大 ・短気 腹満 ・脇下および心が痛む (治法) ・太陽と陽明の脈状や病証にとらわれず少陽の脈状や病証をとって小柴胡湯を主として 用いて治療する ⇓ 少陽経は身体の枢軸だから少陽病の脈状と病証をとる ※「素問」にいわく ・太陽 : 開く作用で『開』 ・陽明 : 閉じる作用で『闔』 ・少陽 : 戸扉の軸の働きで『枢』 ※小柴胡湯が主だが特に裏熱が甚だしいとき → 白虎湯・白虎加人参湯で冷ます ※膀胱に熱を持っているとき → 猪苓湯で利尿する今回はここで終わります。次回は、『陽明病の表和・裏実』を始めます。(追記)今回の話しでは、合病が二つの病期ではなく三つの病期が存在している場合を説明されていました。考えてみれば病気は単体だけのものもあれば、複数の病気が一緒に存在して複雑になっているものもありますよね。治療するにあたり、単体は治し易く複合は治しづらい傾向にあります。病気をこじらすと治りづらいのも、原因の病気をこじらせたため元の病気の他に別のこじらせた病気の合病になってしまっているからと考えられる。医経解惑論の中ではよく誤治として書かれています。間違った治法を行い病態が変わったため、どのように対処していくべきか説明しています。勉強になります。医経解惑論を読み進めていくと、いろいろ要約して判りやすいように再度説明してくれています。このまま継続して書いて行ければいずれは書いていくことになると思います。出来るように努力してみます。(-_-;)ではでは、また不定期で。 _(._.)_