訪問言語聴覚士さんの演題発表(NST研修会) | とある訪問看護ステーションの活動日記

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訪問看護を始めてはや十数年。念願であった訪問看護ステーションを開設しました。新たな発見や地域の看護活動を通じて感じたことなどを綴ります。

先週のことですが、

NSTの研修会でわが社の言語聴覚士さんが

演題発表しました音譜

 

タイトルは

「訪問言語聴覚士における活動と課題」

です。

 

5年以上経過した脳血管障害後遺症で

嚥下訓練をあきらめてしまった

(在宅でSTによる嚥下訓練が無いから仕方なかったんだけれどショック

唾液による誤嚥性肺炎を繰り返していた利用者さん(胃ろう、経口摂取不可)が

5年ぶりに間接嚥下訓練(※↓)から再開し、

1年かけて、経口摂取ができるようになり

誤嚥性肺炎を起こさなくなったという発表をしてくれました。

 

※間接嚥下訓練

食物を利用せずに行う訓練

 

もちろん利用者さんのご協力(同意)を得て、

動画ありでとてもわかりやすく、発表してくれました。

 

 

訪問に専門的に携わる言語聴覚士って

本当に少ないんですよね。

 

だから、この日、会場では、

とても地道な訓練活動ですが

質問がとても多かったです。

 

彼が言うには、在宅での嚥下訓練は

在宅は病院ほど設備や人員が整備されていないので

(例えばいつでも吸引してくれる環境とか、検査とか・・)

攻めのアプローチは行いにくいこと・・。

今回の方は、在宅でうまく改善できたケースで

必ずしも、在宅でのアプローチがうまくいくとは限らず

 

それでも困っておられる人は、沢山いらっしゃるのが現状。

期間をかけて安全にゆっくりと、ご家族や多職種の力をかりて、地道にアプローチビックリマーク利用者さんにとっても、言語聴覚士さんにとっても、根気のいる訓練です。

 

当社もたった一人の訪問言語聴覚士さんなので

いつもシフトは満杯です。

 

さて・・。

理学療法士さんの場合もそうですが

訪問看護ステーションで提供する

理学療法士さんや言語聴覚士さんのリハビリは

「訪問リハビリ」とは言わないんです

 

「訪問リハビリ」はあくまでも、老健施設や診療所から提供されるもの

訪問看護ステーションは、セラピストが実施しても

制度上は「訪問リハビリ」ではなく「訪問看護」に分類されてしまう。

ややこしいですね・・。

利用者にとって、もっとわかりやすくならないかしら・・イラッ

 

そして、名称の話。

今は‘訪問看護師’って

当たり前に使っていますが

 

‘訪問言語聴覚士’って、どうもすわりが悪いうーん

聞きなれないだけかな・・。

ということで、彼は、今回の発表タイトルに

あえて「訪問言語聴覚士」という言葉をいれたらしい・・。

 

必要な専門的な嚥下・言語訓練が在宅でも受けられるよう

制度も訪問言語聴覚士も整う事、祈ってますドキドキ