ひとりでも笑笑。二人なら笑笑笑笑。
11月10日(木)
この日は平凡至極な木曜日だったのですが、私にとっては大事な一日でした。
そうです。
先日花沢さん(仮名)の色気のトリコしかけの明け暮れとなった私が入れたボトルキープの「大神」の期限がこの日までだったのです。
しかも帰る間際にキープしたものですから、丸々一本残っているという有様でした。
「そのうち行くだろう」と軽い気持ちだったのがいけなかった。
あっという間に期限の一ヶ月が過ぎ、とうとうこの日が最後の日。
ボトル自体は安いものでしたが、何よりもせっかくの酒が無駄になるのが許しがたかったのです。
と、いうわけで、単身六甲道に乗り込み、キープした酒を飲み干すべく「笑笑」へと向かったというわけです。
午後9時に入店した私はカウンター席(一人の客はカウンターへ通されるのが通例)を断って、あえてテーブル席へ陣取りました。
平日の夜ということもあって、店内は空いており、私のわがままは辛うじて許されるのではないかと思いました。
「とりあえず、ビール」とかいった虚礼は廃して、一杯目からいきなり「大神」を召喚し、ロックで飲りました。
アルコール度数の高い酒にはチャンジャやキムチといった辛い肴が合いますね。
夕食は軽く済ませた私ではありましたが、そうはいってもやはり居酒屋へ来たからにはつまみを注文する楽しみを享受して然るべきでありましょう。
はじめこそ枝豆やたこわさび、なすの浅漬けといったお手軽メニューで攻めていましたが、いざ酒が進むにつれて何やら肉を喰いたいという、文字通り「肉欲」が湧き上がりまして、とうとうジンギスカンなどを取り寄せてしまいました(画像)。
フラッシュを使わなかったのでちょっと不鮮明ですが、臨場感は伝わるのではないかと思います。
画像ではわかりにくいのですが、この鉄鍋は中心が出っ張っていて面白い形をしています。ある意味、なかなか男性的です。
いったいどこで手に入るんでしょうか。モンゴル直輸入でしょうか。
続いてちょっと淡味のものが欲しくなりましたのでおぼろ豆腐を頼んだところ、これが大正解。
ジンギスカン鍋の脂肪のしつこさを豆腐がさっぱりと洗い落としてくれました。
ただ、おぼろ豆腐とロックという食べ合わせでちょっと体が冷えてしまいましたので、胃をいたわるべく温かいものをと思い、注文したのが肉豆腐(画像)。
おっと、豆腐がかぶったぞ。
肉豆腐のほうは簡易燃料を使ったお手軽一人鍋。
先ほどのジンギスカン鉄鍋とともに、自宅にひとつ欲しいですね。
豆腐が続いたせいか再び「肉欲」が雄雄しく屹立してまいりましたので、それを鎮めるべく注文したのが「サムギョプサルのレタス包み」でした。
サムギョプサルとは韓国で言う豚のあばら肉を使った料理のことで、この店ではレタスに包んで食べました。
薬味におろしニンニクとコチュジャン(皿の左端)が付いてきましたが、これぐらいでは全然足りません。
大韓料理らしく(?)、豪快になすり付けられるぐらいでないといけませんね。
そして料理も佳境に入り、ついに満を持してやってきたのがご存知、石狩鍋でありました。
鮭やジャガイモが入った変わり鍋ですが、なんと言っても隠し味に加えるバターがこの鍋の最たる特徴でしょう。
カレールーを入れればカレーになるが如く、バターを入れれば石狩鍋になるのです。
火がいい感じに撮れてますねぇ。圧巻です。
こちらも芋焼酎のお供としてはうってつけでしたが、私の好みとしてはもう少し塩味を控えて、バターの風味を楽しみたかったですね。
鍋を空にしてもまだ温かい汁物に飢えていた私は、具沢山豚汁を注文しました。
誰がなんと言おうと、具沢山なんだそうです。
この頃にもなりますと、体内のアルコール濃度も相当に上昇しておりましたので、やたらと汁物がおいしく感じてしまうというわけです。
飲んだ帰りのラーメンが殊の外うまいのと同じ原理でありましょうか。
もっとも、私はラーメンはあまり好きではありませんが…。
一通り料理も出たところで、日付けはもう翌日に変わっておりました。
さすがに夜通し飲む覚悟まではありませんでしたので、何とか終電には間に合うように飲み続けていましたが、残りグラス2杯分というところでどうしても飲めず、とうとう観念してしまいました。
これ以上飲むとせっかくのご馳走が逆流しかねない勢いだったのです。
「大神」は名残惜しかったのですが、デザートにココナッツアイスを注文して締めとさせていただきました。
ココナッツの風味は好き嫌いが分かれますが、私は大好きです。
こんなに酒を飲んでも甘いものを食べられるとは、なんて私の舌は素敵なんでしょう。
これだけ飲み食いしてお会計はたったの5190円でした。
正直、安かった。
ところが、いざ帰ろうかと思った矢先、店員さんに呼び止められ、「ボトル、持って帰られますか?」と言われました。
…え、持って帰れるの?
うっそーん。
最初にそう言ってもらえれば無理をして飲み干そうとしなくてもよかったのですが、そこが私の意地汚さ。
でも、次からは安心してボトルキープできますね。
一度は別れを誓った強敵(とも)、「大神」。
まさかこんな形で再会しようとは。
想定外のお土産まで付いて、この日は上機嫌で帰路に就いたというわけでした。





