七夕になると、子供の頃は、

笹の葉サラサラのきばに揺れると歌いながら、

そこに五色の短冊を吊るして、

願い事を書いたりします、

中国から入った風習で芸事の上達を願う祭りでも有ります。

 

五色は青・赤・黄・白・黒をいい、

青は情けや思いやりを示す仁を、

赤は儀式や作法を示す礼、

黄は真心や誠を示す信、

白は正い事や立派を示す義、

黒は知る事や賢い事を示す智を表すそうです。

 

私なんぞは太鼓持ちをしていましたから、

隣の人がもう少し美しくなりますようにとか、

ペチャ鼻がもう少し高くなりますようにとか、

要らん事を書いて吊るしますから、

後から誰なの ?こんな事書いた人はと叱られていました。

 

七夕にお仲間同士で呼ばれたお座敷ですと、

七夕ならではのお遊びを提案しますが、

好きな人同士でお座敷に太鼓持ちを呼んで、

アホな話を聞いてお酒を頂いて、

その後は2にでシッポリと楽しむ感じだと、

お座敷では艶っぽい話が、

とうしても多くなります。

 

都々逸にも

「忍ぶ恋路を一筆しめし 今宵参らせそうろうかしこ」

なんて文が届くと、

心はウキウキ、

何をお話ししようかなんて思いながら待ちこがれて、

やっと夕方に好きな人が来ても

「惚れてこがれたかいない今宵 逢えば下らぬ事ばかり」

なんて、

最初は取り止めもない話から入ります。

 

その内お酒も少し入って、

2人の距離も縮まって

肩がふれ手が重なってしなだれ掛かって言う言葉は

「主によう似たヤヤコを産んで 川と言う字に寝てみたと」

なんて耳元で囁けば、

その前に

「川と言う字はそりゃ後の事 せめてリの字に寝てみたい」

なんて口説かれて、

後は知りません。

 

まつのき小唄の文句に「

貴方の背中に指で書く スキと言う字をカナで書く

 読んで頂戴逆さまに女心のナゾじゃもの」

なんて昔は時間も気持ちもユッタリと流れて情緒がありました。

 

そんなのを見せつけられながら

太鼓持ちはお座敷を務めますが、

仕方ないですそろそろ暦の上では

「秋渇き」なんて言いますから

「秋渇きまず七夕に渇きぞめ」

なんても言いますし

「天の川秋の渇きの初めなり」

とも言いますから、

お相手が居られる方はお好きになさってください。

 

若い時の渇きは我慢すると

その毒が顔にニキビとして現れるそうで、

したいのに我慢するのは、

したいしたいで合わせると

「ハッタイ病」と言われますから、

早く相手を見つけて若い時を楽しむ事です。

 

たとえ相手を見つける事が失敗しても

若い時には良い経験になりますから、

大いにチャレンジする事です、

嵯峨天皇と橘逸勢と並んで三筆と呼ばれた

書の名人だった弘法大師様でも

「弘法も一度は筆で恥をかき」とあります。

 

大内裏に掲げる額に書をしたためた所、

応天門の応の上の点を打つのを忘れたそうで、

掲げられた額に筆を投げつけて点を打ったそうですから、

なんでもチャレンジして、

経験を積み重ねる事です、

私は未だに恋愛は経験してないので知りませんが。