この頃はヒマ老人が

私がどうしているのかを覗きに来る、

仕事をしてないと笑顔でヒマかぁと言って入ってくる、

仕事をして無ければヒマに決まっているので、

ヒマだぁと答えると、

チョットだけブラリとして来ましょうかと誘う。

 

家にいても刺激は無いので出かける事にするが、

何処へ行くとも決めずに来るので、

何処に行きましょうかと言うから、

今は大河ドラマで「光る君へ」をしているし、

藤の花が咲いているので

藤の花と武生の紫式部公園に行きたいと言って、

いそいそと年寄り2人出かけることにした。

 

行く途中は自生している藤の花を見ようと、

山の方を回って行くと、

植林されている杉林には見かけられず、

雑木林の落葉樹に

まとわり付くように伸びて藤の花を咲かせている所が、

何箇所もあった、

車のスピードをユックリとして藤の花を愛でる。

 

藤の花に絡まれた木は大変でしょうが、

絡んで上に伸びて花を咲かせている姿を見ると、

源氏物語の女性達の生き方と重ねて見てしまう。

 

日当たりも良く地力も有り

大きく成長する木にまとわり付いた藤の花は、

頼りにしている木によって、

伸び伸びと成長して花を一杯咲かせて、

遠くからも目に付き綺麗に見えた。

 

 

紫式部公園は前回何度かチャレンジしたのに行けなかった、

少し分かりにくい場所にあったが、

良く整備されていた、

本当にこの場所に越前国府が有ったのかは分からないが、

武生の越前国府に紫式部が父の赴任と共に来られたのは間違いない。

 

駐車場から公園の東門から入った、

左手に池に面した釣殿があり、

進むと池に赤い欄干の橋が掛かっていて、

中島を通り向かい側に行けるようになっていた。

 

反対側には寝殿跡と書かれた場所があり、

そこを過ぎると平安絵巻特有の

下膨れの美人顔の紫式部の金ピカの像が、

台座の上に都の方角を向いて立っていて、

視線の先は日野山を眺めている形になっている。

 

公園の西側に紫ゆかりの館がある、

紫式部の間には赴任する時の行列が人形で展示されていて、

紫式部は御簾の向こうに後ろ向きに座られていて、

何とも言えない色っぽさを感じました。

 

相棒のヒマ老人は歩くのが疲れたとか言って、

紫ゆかりの館には来ずに、

公園の南側にある芝生広場の周りに藤棚があって、

見事に藤の花が咲いているので、

そこのベンチで

藤の花の香りと花の美しさを堪能して待っていましたので、

私もしばらくベンチに座って、

一緒に藤の花を堪能して来ました。

 

この時期は山には山桜が咲いているし、

道端には芝桜や菜の花にチューリップにツツジが咲いていて、

藤の花も木を頼りにまとわり付いて咲き誇っていますから、

春の五月皐月を感じます。