節分が済むと今日は立春となります、

立春は旧暦の中で始まりを表す日ですから、

本来は立春が新年の始まりの時を表していたので、

現在のお正月とは少し日がずれますが、

そんな事は意に関せずに

新春や迎春とまだ寒いのに春という言葉を使います。

 

 

太鼓持ちですから、

お座敷に揚がりますと、

前日に豆を見て食べたのですから、

春だって立ちますし、

陽気にピンクの春気分にもなります、

なんて意味深な事を言って話はピンク色の方へと導きます。

 

多くの農家では立春から数えられるように

旧暦で理解されている所も有ますネ、

例えば立春から数えて88日目の夜を八十八夜、

210日目を二百十日など、

農作業と関わりのある事を思い出せるように現在でも使います。

 

立春からそろそろ春の気配が現われ始め、

梅の花がほころぶ季節、

昔は梅の一枝を折り男性は冠(かんむり)にかざし、

女性は髪に挿す風習から

髪挿し(かみざし)と言われ、

簪(かんざし)と言われるようになったそうで、

簪には花模様が多いです。

 

京祇園の舞妓さんの2月のかんざしは梅ドス、

それが歳取って古くなると

梅干しババァになるんドスよって、

そうなる前に旦那さんからチヤホヤされてる内に、

アレヤコレヤと言ってお金をせがんで、

もぅこれ以上むしり取る事出来ない程絞ったら、

残りカスはポイして、

次の旦那を探して引っ掛ける為に

簪の先は曲がっているんドス、

なんてアホな事を言ってました。

 

先端に耳かきが付いた簪が登場したのは、

江戸時代贅沢禁止令が度々出されたので、

これは耳かきですぅと言って、

取り締まりから逃れる為の口実とも、

実際に使われたとも言われてます。

 

男として生まれたのなら、

そんな簪で引っ張られて、

綺麗な芸妓さんとイチャイチャしたい、

一緒にお風呂に入ってお盆にお酒を浮かべて、

外からも中からも温まりたいモノですが、

そんな経験は一度も無し、

せめてお酒で温まりたいと思っても、

ドクターストップが掛かっていて、

それも叶わぬ体になってしまいました。

 

この頃になると新酒も出来て、

絞った酒粕はポイされずに奈良漬や粕漬けに使われたり、

甘酒の材料などとして出回り始めますから、

せめて香りだけでも楽しみたいモノです。

 

まだ寒い時期なので季節のネギより色が薄いので、

浅いネギと書くアサツキ(浅葱/あさぎ)を散らして、

酒粕の入れたお味噌汁(粕汁)で

温まレレば嬉しいのが今の現実ですが、

それもこれも全部自分でしなければ口にも入らない、

人生こんなつもりでは無かったのに。

 

それでも何とか生き延びていますし、

夜逃げも今の所はしていませんし、

自分の事は何とか自分で維持していますから、

自分の能力としてはマァ~こんなモノ何でしょう、

ありがたい事です。

 

今夜はせめて買ってきた甘酒なんぞを頂きながら、

今年もまた一人で春を迎えられる喜びを味わいます、

と言いながら誰か遊びに来ないかと待っています。