太鼓持ちを販売する為、

ダイレクトメールを出す

相手先を決めるのに、

電話帳から拾い出して出そうと考えた。

 

そこで関西・中部・北陸の

職業別電話帳が見たいと

NTTに申し込んだら、

 

保管場所が市外局番専門の

建物に行かなければ無い、

 

どうして? と言う疑問は瞬時に消えた、

そこに行ったら、

棚の中にズラァーッと並んでいる、

見ただけで圧倒された。

 

 

福井では1冊だから、

そんなに有るとは考えても居なかった、

 

あまりの多さで、

書き写すのは無理、

本を買うにはお金も無いし

保管場所も無い、

 

仕方ないので、

ここぞと思うページを

有料コピーして頂く事に、

 

毎週の様に

ボチボチ出向いてはコピーを依頼する、

ボチボチでも纏めれば

多額の費用がかかった。

 

 

昔から「営業は千三つ」

1,000件回って3件でも

確保出来れば上出来と言われている、

 

千分の三という事は、

約300に1つは何とかなると

言う事では無いかと考えて、

最低でも600通出せば

1つくらいは引っ掛かって来るのでは

と考えた。

 

 

頭の中で考えるのは簡単、

では実行してみると、

 

捨てられずに簡単に

太鼓持ちを理解して頂いて、

 

その気にさせるには、

どう何を書いて、

字の大きさやイラストの配置、

どの紙を使って、

どの大きさで、

封筒はどうするか、

などなど、封書・切手代以外は、

できる限り

最小資金で作らなければならない。

 

 

イラストなどは自分で書いて、

コピーして原本に貼り付けては、

全体の構図を考えて文字の大きさも、

 

当時はパソコンは無く、

ワープロの機械で打ち出して、

その文字をコピー機に掛けて、

拡大したり縮小したり、

 

黒文字一色なので、

紙を暖色系の色紙にしたり、

細かい事にもこだわった。

 

 

出来上がっても、

それらを折りたたんで

封筒に入れて封をして、

 

毎年600~1,000通の

ダイレクトメールを出していた、

 

魚が泳いでいるかどうか分から無い、

太平洋のど真ん中で

餌撒きして釣りを試みている感じで、

 

1つか2つ引っ掛かって

依頼が来れば上出来、

 

ダイレクトメールの費用が

出るか出無いかのギリギリ状態、

それでもしないより、

した方がマシと考えて、

毎年せっせと取り組んでいた。

 

 

知名度も資金も繋がりもコネも、

何も無い所から、

 

しかも訳のわからない

太鼓持ちの販売と言うのは、

こんなにも難しいものだと、

芯から染み渡った。

 

 

それでも徐々にお客様は出て来た、

県外のある若手の

新しい組合からは、

どうして我々の組織が分かったのか、

 

初めての手紙で嬉しかったので、

呼ぶ事にしたと言われた時は、

舞い上がるほど感謝の気持ちが湧いてきた、

有難い事です。