今から。10年以上前の当院での診療のことです
ある女性、当時70歳くらいだったか??記憶が定かでなくてすいません・・
初診で来院されて、いきなり
「胸がこんな感じで・・・においが気になります。周囲の人に迷惑になるのでは・・・どうにかしてください」
という感じの訴えだったような記憶です。
早速、拝見してビックリ!!
左乳房がほぼありません。えぐられたように皮膚潰瘍になっていました。そしてほぼ腐っている(壊死)状況で悪臭を伴っていました。
乳がん(進行がん)と一瞬で判断できます。少し奥にはあばら骨(肋骨)が透けて見えています。
おそらく転移もしているように・・確信しました。
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においを消す治療は、今ではロゼックスゲルという抗生剤の外用薬がありますが、当時はありませんでした。
代わりにアクアチム軟膏という抗生剤を処方したと思います。
当院では当然フォローできる疾患、状態ではないので、基幹病院の乳房外科を紹介しました。
やはり、結果は末期乳がんでした。
ご家族にも知らせず、内緒にしていたそうです。
家族間でのかかわり方も病気の進行に影響した症例です。
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私の叔母も同じく、花がさいた(乳がんの皮膚潰瘍がひどい状態のことを表す隠語?)状態で見つかって。
あっという間に亡くなったという記憶が残っています。
何十年も前のお話です。
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