劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
最近、マスメディアの過剰な報道で「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS」」が深刻な???話題になっています。私が、医師になって30年近くなりますが、大学病院で皮膚科医として勤務していた時に、入院患者さんで1名劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の症例を経験しました。たしか、右下腿の壊死性筋膜炎を起こしており、局所麻酔下でデブリドマン(壊死物質除去)を行いました。抗生剤(ペニシリン系)の点滴高容量で治療して、なんとか切断などせず治癒して退院されました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当院開業して、17年目になりますが、一例も劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は経験しておりません。その手前にありうる蜂窩織炎は何例も経験しています。そして治癒しております。「過剰に心配し、怖がることは必要なのか」は別として、発生頻度がそれほど多くはないので、まずは落ち着いて近隣皮膚科を受診してください。当院で劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)ではないか????と心配して来院される患者さんは、軽度の湿疹や蚊に刺された皮膚のふくらみと赤み、ひっかき傷などです。さらには、皮膚症状は何もないが、皮膚がちくちくするから、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)ではないか??と心配された受診するといった例もあります。このような状況ですので・・全国では、そのような患者さんが沢山受診している可能性があるな、と想像しています。コロナ感染症の次のマスメディアの話題づくりは、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)なんですね!!ちなみに・・・私はテレビを見ないのでこの話題に疎かった事実があります。