「汽笛」 | 法橋ハジメの人間っていいな

法橋ハジメの人間っていいな

法橋ハジメです。
唄をつくって、ときどき町々を巡ってます。
僕はこんなふうに世界を感じてます、向き合ってます、みたいなことをつらつらと書いてます。いろいろ思うけれど人間が好きです。
ライブの予定も載せてます。
よろしくどうぞ◎







汽笛






キセル乗車のあいつが今夜も
夜汽車の唄をうたっている

涙を流して聴いている
あの人の今日までが

遠くの汽笛にかき消されて
白く濁って
夜に解けた



キセル乗車のあいつの唄が
あまりに綺麗過ぎて

涙をこらえて乗り込んだ
あの日の列車を降りられないまま

僕はまだ
窓際のシートにうずくまって
くもりガラスの向こう眺めてる



キセル乗車のあいつがいつか
透明人間になるとき

夜汽車は最後の駅を抜け
銀河を渡る旅に出るのさ

僕にはまだ
遠くの汽笛が聴こえる
遠くの汽笛が聴こえてる