2-1.民法総則、権利能力 | ほわっとほうりつしませんか

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法学部生の学習ノートです。

民法総則第2回のテーマは、

「権利の主体としての人」

「権利の客体としての人」です。

 

https://ameblo.jp/hougakuto1331/theme-10113586582.html

 

 

前回↑から申し上げているように、

民法典それ自体の流れに従っています。

 

民法典の第一編第二章が「」です。

 

 第一節 権利能力

第三条

①私権の享有は、出生に始まる。

②外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、

  私権を享有する。

 

最初に①について考えます。

まず前半。

私権は、公権に対峙するもの、私法上の権利ですね。

その享有とは...?

つまり、私法上の権利の帰属先となることです。

 

享有:権利・能力などを、人が生まれながら身につけて持っていること。(goo国語辞書)

 

ここで注意したいことが一点。

「権利能力者である」ことは、「権利が帰属しうる」ことを意味します。

権利能力者が、自ら権利を獲得し、

義務を負担できるか否かとは別の問題。

赤ちゃんとか、幼稚園児を、考えていただけると想像しやすいかと。

 (ちなみに私は保育園児でしたね、

  世界一どうでもいい情報入れておきますと。)

 

では後半。

「出生」の対象は、明記されていませんが、

「人」という章にありますから、人だと考えて問題ないでしょう。

 

「出生に始まる」のですから、

・始期は出生時→出生しなければ始まらない

 →胎児の権利能力の否定(例外があります、後ろの方で。)

・私権の享有に必要な要件は出生のみ→生まれさえすればよい

 →すべての人は平等に権利能力を有する。

    ↳権利能力平等の原則

 

始まりを見てきましたが、終わりはどうなんでしょうか。

ヒントになりそうなのが以下の2つ。

・民法882条(相続開始の原因)

相続は、死亡によって開始する。

・民法31条(失踪の宣告の効力)

前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。

 前条第一項の規定→30条1項

不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失そうの宣告をすることができる。

 同条第二項の規定→30条2項

戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争がんだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

死亡した者は権利を失うことが前提とされていますね。

ので「死亡に終わる」ことが読み取れるのではないでしょうか。

 

ラスト、「人」に関して補足。

生物学的な人(いわゆるヒト)は法的にも人です。

でも法的な人は、生物学的に人とは限りません。

株式会社やら大学やらといった法人とかです。

これに何の意味があるかは、私にはようわからんので

頭の片隅に置いておきましょう。。

 

では次に②について考えます。

②外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、

  私権を享有する。

です。

 

法令による制限は、よく聞くもので例を挙げるならば、

 参政権の制限などです。

公職選挙法9条、10条の「日本国民で」「日本国民は」という文言。

地方自治法18条、19条の「日本国民で」「日本国民たる」という文言。

くどくなるので書きません、一応リンクです。

公職選挙法↓

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?

 

 

lawId=325AC1000000100

 

地方自治法↓

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000067#153

 

 

これらは公権ですね。後判例を1つ追加します。

 

私権で例を挙げると、

特許権

(特許法25条:外国人の権利の享有

日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない外国人は、次の各号の一に該当する場合を除き、特許権その他特許に関する権利を享有することができない。

一 その者の属する国において、日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めているとき。

二 その者の属する国において、日本国がその国民に対し特許権その他特許に関する権利の享有を認める場合には日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めることとしているとき。

三 条約に別段の定があるとき。)

 

鉱業権

(鉱業法17条:鉱業権者の資格

日本国民又は日本国法人でなければ、鉱業権者となることができない。但し、条約に別段の定があるときは、この限りでない。)

 

など。

 

この辺りでいったん切ります。

*胎児の法的地位について書き加える予定。

 

ではではまたね。