9月23日、秋分の日。
この日をはさんで前3日と後3日の間の7日間がお彼岸。
東京にいるとめったに見ることはないけれど、
この頃に咲くのが「彼岸花」。
田舎の岡山では、旭川の土手やお墓のある山に咲き乱れていた真っ赤な花。

higan1学名は「Lycoris radiata」。
「Lycoris(リコリス)」は「ヒガンバナ属」、「radiata」は「放射状の舌状花をもつ」という意味。
リコリスはギリシャ神話に登場する海の女神。
一説にはローマの詩人ガッルスの恋愛悲歌に登場する女優でアントニウスの愛人の名前とも。
花言葉は「悲しい思い出」なので、一説が正しいかも。

彼岸花には、「死人花」、「幽霊花」、「地獄花」、「毒花」といった不吉な別名もあるんです。
寺院の境内や墓地によく見られる花だから。
彼岸花の球根にリコリンなどのアルカロイド系の毒が含まれているから。

higan2また不思議なことに、花と葉を同時に見ることはできないんです。
葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない。
このことから、韓国では「相思華(サンチョ)」と呼ぶそうです。
「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味から。

でも私は、別名の中でも「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」が一番好き。
これはインドのサンスクリット語の「マンジューシャカ」の音訳語。
マンジューシャカは、古代インド人が空想した、天上に咲く白い花だそうです。
そうだとすると、赤い花を咲かせる彼岸花としては、ちょっとミスマッチ。

子供の頃、この花の茎で首飾りを作って遊んだなぁ、なんて昔日の懐かしい思い出が蘇ってくる。
首飾りをあげた初恋の人は、今どうしているのかな?
と、ちょっと感傷に浸っているVOICE担当でした。