「ご主人には愛人がいて

子供までいることをご存じ?」

怪文書や電話が主婦に届く。

差出人夫の妹

「兄嫁なんかに比べたら

私の方がよっぽど

奥さんに向いてるのに

なぜ結婚できないの⁈

焦り半分、やっかみ半分、

兄嫁に嫌がらせする小姑。

迎え撃つ嫁。

掛け合い漫才のようなホームコメディです。

 

 

 

婚期

吉村公三郎監督

1961年

宮川一夫撮影

京マチ子 若尾文子

野添ひとみ 高峰三枝子

北林谷栄 中条静雄 

船越英二

京マチ子

「貴方~飛び出すハートではじまり

「貴方~ハートで終わる秀逸な脚本。

 

6年前に娘から薦められた作品を

ようやく鑑賞拍手拍手

 

 

見どころが多くて

夫の2号3号の殴り合いが愉しいし、

ガス殺人未遂もハラハラ。

見合い相手の母親を試す

間違い電話をかけるシーンでは

思わず吹き出しました笑

もぉ~大映映画って

なんでこんなに自由で

おかしいんだろう(≧∇≦)

格調ハレンチな会話、

ビヨヨ~~ンの効果音、

アァ~のオペラ声チュー

 

宮川一夫撮影だから

構図も女性も、とにかく綺麗赤薔薇

 

 

  豪華なキャスト

自立した長女を高峰三枝子。

奥さんを夢見る次女を若尾文子。

売れない劇団員三女を野添ひとみ。

彼女たちにいびられる嫁を京マチ子。

妻、妾、恋人と忙しい夫を船越英二。

騒動に巻き込まれる、ばあやを北林谷栄。

したたかお茶目な女性は

裏ではズケズケ物を云うけど

表では甘い鼻声になるんですよね。

 

「男なんて」と言うわりに

気に入られたい、可愛くみられたい。

そんな女心がたまりませんラブ

 

高峰三枝子って

こんなに面白い演技する人だったのね!

顔パックしながら主婦のデメリットを羅列。

かと思えば、

ちゃっかり彼氏に艶っぽくおねだり。

湯けむり入浴でロマンティック。

カッコイイ自立した姿と

ふとした瞬間のしさが

女の二面性を見せてくれますよ!


 

  感想

婚期というプレッシャー

苛立つお年頃の小姑たち。

「男って見る目ないわ」

次女の波子が愚痴をこぼす。

 

「私みたいな奥さんを持ったら

幸せだと思うのよ。

料理にお茶、お花、洋裁、

アップリケ、水彩画、琴、ピアノ、刺繍

編み物、鎌倉彫、フランス語…

広く浅く習ったけど

結局、お静(兄嫁)みたいな女が

奥さんヅラするんだから…」

 


三女は自由奔放。

すねかじりキャラ。

 

「夜帰りが遅くなるから

奥さんに迎えにきてって伝えて」

ばあや

「奥さんだってお若いんですから

危のうございますよ」

 

三女

「何言ってんの?

こっちは処女ですよ!

ショ・ジョ!

 

ばあや

「処女じゃなくたって

危険は同じでございますよ。

私が処女をお迎えにいきましょうか?

あたしなんぞ貞操を失っても

惜しくございませんから

ウケる~爆  笑笑い

 

次女と三女は

居候のひがみで、

兄嫁を追い出そうと結託。

私たちのこと邪魔者扱いして。

こっちだって好きで居るんじゃないわ。

フンだ!

でも嫁の静は、

おっとりしてるようで

案外図太い(笑)

脅迫手紙にも電話も効果なし。

出ていけば負け。

敵の思うツボだわ。


ある晩、次女は

三女と彼氏のイチャつきを目撃。

んまぁ!

フンッムカムカ

三女に先を越され

雑誌をビリリと破る。

あ~ぁ、理想を求めてたら、

縁談の話が途絶えちゃった。

条件を下げようかしら。

 

静が新しい縁談を持ち込むと

あれほど兄嫁いびりしていたのに

顔つきが変わり身を乗り出す。

「どんな人?」

強がっていても

女の子だもん爆  笑

素直で現金なの。

見合い相手は36歳の歯科医。

人物リサーチのため、

兄嫁が患者として潜入

必要ないのに歯を削り

容姿をチェックするため

「あのぅ、マスクが…」

「…マスクがなにか?」

静は痛む歯をおさえつつ報告。

「これ以上ないような良い相手よ。

顔もまぁまぁハンサム。

面倒な親戚も兄弟もなし。

病院の評判も良いし、前途も洋々」

期待に胸を膨らませる波子。

(へぇ~そうなんだぁ)

が!

相手の頭頂部に

目が釘付け!

毛が…

ない!!

「髪の問題じゃないのよ!

気持ちの問題よ!

『病院の改築にいくら出します?』

そんなこと聞くのよ。

嫁にもらってやるから

相応の持参金払えっていう態度。

ひどいわよ」

期待だおれも、

相手のハゲも、

悪いのは全部、

兄嫁のせい。

一時休戦していた両者が

ふたたび立ち上がる。

さぁ、この決着はどうなる?!

 

ふふふ。

 

まぁ

波風たっても

家出しても

そこは、夫婦よね。

貴方ハート

テンポ良い脚本に

笑いがとまらない1本でした二重丸