伝統を守る新しさの排除

古いしきたりを守る小さな村に

母娘がやってきてショコラ店を開く。

チョコレートの甘い香りが村へ漂うように、

新しい考えが人々へ広がっていく。

自由を求める主婦、老婦人、少年、

そして頑固な村長の心を変えていく。

しかし、

誰よりも因習に縛られているのは

旋風をもたらした張本人、母娘だった。

彼女たちは一族の呪縛から解放されるか?

 

 

ショコラ

ラッセ・ハルストレム監督

2000年

ジュリエット・ビノシュ

ジョニー・デップ

アルフレッド・モリナ

ジュディ・デンチ

キャリー・アン・モス

レナ・オリン

(画像お借りしました)

冒頭からハッ!と驚きます。

色のない村に赤色マントの母娘が現れる。

このの使い方ですよねぇラブ

目にも鮮やかな

つまり生きる喜びが舞い込んだのです。

 

シャマラン監督の「ヴィレッジ」では

赤い色は快楽、官能、欲望を示す色として

危険視されましたね。

 

 

「ショコラ」でも

突然の赤い旅人によって

村人の心の底にある望みが浮き彫りになり、

徐々にが溢れ出す。

私のお気に入り「カラーオブハート」では

色を楽しむ人間 VS 色を恐れる人間

を分かりやすく表現しています。

 

神を信じるからといって

神色だけで生きなくたって大丈夫だよ。

他の色も愛していいんだよ。

そんな想いが詰まった1本です。

 

感想

いもの、しみ=悪(堕落)

きめつけなくても大丈夫だよ。

 

砂糖・小麦粉を

毒、悪魔と見なす考え。

その考えにしたがって、

健康を求めれば求めるほど、

常に体調が気がかりになってしまう。

 

それはなぜ?

 

善良であろうとすればするほど

イライラと憎しみや妬みが生まれてしまう。

 

それはなぜ?

 

生きる歓びって、悪じゃないよ

 

おいしいものを味わうことに

罪悪感をかんじなくて大丈夫

先祖から受け継いだ村を守りたい村長は

よそ者がもたらす影響を危惧する。

信仰を重んじ質素に暮らすべき

快楽や欲望はダメ。流行歌より讃美歌を歌え。

そこへ、

シングルマザー教会へいかない

ヴィアンヌと娘が現れる。

断食期間、チョコレートで誘惑する彼女は

ジプシーたちも危険視される。

ヴィアンヌの大家さん(ジュディ・デンチ)は

自由な考えを持つため、

娘に反発され、孫に会えないのが悩みの種。

糖尿病を患う彼女は、

たとえ寿命が短くなっても、

ショコラを手に友と語らい、

孫に肖像画を描いてもらうひと時を

噛みしめたい。

”あぁ、生きてる”

このしあわせを味わうことの方が、

延命よりも大事なのだから。

 

ヴィアンヌは孫と大家さんをつなぎます。

大家さんの友人だけを招いた誕生会で

おいしい料理に満たされ、

孫からの贈り物をじっとみつめる老婦人。

孫が描いた肖像画。

”若く描いてある。気が利くね”

喜びを抑える声がかすかにふるえる。

彼女にとって、

最期のしあわせな夜になりました。

 

表面的にみれば

”糖分が寿命を縮めた”ようにみえる。

でもの目には

音楽にあわせて孫の手をとり踊り、

仲間に囲まれる母の姿が焼き付いていた。

”~すべき”より

”どう生きたいか”が大切。

 

彼女の心の中で何かが変わる。

 

村長へ言葉をかけます。

 

”あなたの奥さんが戻らなくても

誰もバカにしませんよ”

村長の奥さんは、

窮屈な暮らしから去っていった。

 

その現実に向き合ってごらんなさい。

前に進みなさい、と。

 

箪笥には妻が残したワンピース。

胸の大きくあいた花柄のドレスを

はさみで切り裂く村長。

孤独をかみしめ、断食で身体は飢え、

心はひもじい。

ついに、あれほど毛嫌いしてきた

チョコレートに手がのびるのです。

 

村長の顔色をうかがっていた

若い神父が朗読台に立つ。

”私たち人間の価値は、

禁じたり否定したり、

誰かを排除することではなく、

何を受け入れ、

誰を歓迎するかできまります”

耳をかたむける村長の顔が、穏やかに。

 

村長だけでなく、ヴィアンヌもまた

縛られてきた因習に別れを告げます。

 

彼女の背中を押すのは、村人たち。

 

私は、この双方向の助け合い

感動しましたよ。

母から私へ、私から娘へと受け継ぐ人生。

変えたくなったときは、変えていい。

ガシャン!

宝物が割れた瞬間、自由を手に入れるのです。

北風が南風に変わるラストシーンが素敵でした。