森に入ってはならない。
森と村の境界線には、黄色い印がある。
ある日、小動物が殺され、
皮をはがされる事件が起きた。
人々の心のなかで
魔物の存在きくなっていく。

「ヴィレッジ」
M・ナイト・シャマラン監督
2014年
ブライス・ダラス・ハワード
ホアキン・フェニックス
エイドリアン・ブロディ
シガニー・ウィーバー
ウィリアム・ハート
(画像お借りしました)

恐怖と不安をで包んで
突き進む大好きな物語です。

みたことのある顔ぶれがずら~り!
ちょっとびっくりしました。
ウィリアム・ハートの優しく青い瞳、
久しぶりにみて感動です!
葛藤するお父さんを演じておられますね。

【感想】
赤い色は不吉な色。
2人の女の子が箒でポーチを掃除している。

赤い花が咲いているのに、気づく。
ためらいなく乱暴に引き抜き、地面に穴を掘って埋める。

掃除にもどる彼女たちの顔からは
さっきまでの笑顔が消えていた。

このしびれるオープニング
心を鷲掴みされました。
川のせせらぎに写る赤い影
腰掛け岩の赤い実
この村に赤い色
存在してはいけない。

は不吉な色だと教わって育った若者たち。

は命の色。
同時に、
悲しみ憎しみ・苦しみを思い出させる
残酷な色
眼の不自由な主人公アイヴィーが言います。
「私はみんなと違う方法で、人を見るの。
一部の人には色がある
誰がやってきたかわかる」

愛する彼の色は何色か・・・
最後まで明らかにされません。

「何色か聞かないで。
あなたの色は教えない

そう何度も告げます。

彼女にとって
最も大切な色なのでしょうねぇ(*^.^*)

勇敢な2人。ルシアスとアイヴィー。

恐怖が2人を結びつける場面が
とてもドラマティックです!
森から魔物がやってくる。
人々は地下室へ逃げる。
「アイヴィー、扉をしめて!
怪物を家にいれないで」
姉の叫びに耳をかさないアイヴィー。
危険をかえりみず、信じて差し出す
愛をつかむ勇気を描いたシーン。
アイヴィーが彼に尋ねます。
なぜそんなに勇敢なの?
あなたの勇気、
どこからくるの?

ルシアス
「先のことを考えず、
今やるべきことをやるだけだ。」

未来の結果を怖れず
今を生きる

娘がお世話になっている精神科の先生も、
同じ言葉をかけてくれます。
「将来ではなく、
今日のこと・目の前のこと
目を向けていきましょうね。」

今作ではいろんな形の勇気が描かれます。
愛の告白。

本音を打ち明ける勇気。
 今の自分ができる精一杯だ・・・想いをこめた言葉の重み。

過去に深い傷を負った人々は、
自分や愛する人を危険にさらしたくない。

もしも、大切な人が危険にさらされたら?
もしも、事故に遭遇したら?
もしも、犯罪に巻き込まれたら?
もしも、人と争いになったら?


麻薬、アルコール、金、
暴力のない世界で 
家族と平和に暮らしたい。
完全に危険なことから守ろうとすれば
ひきこもりしかない

平和を保つために重ねる努力が、
かえって恐怖に支配されます。

この矛盾。

人間の持つ矛盾をシャマラン監督は、
美しく描きますねぇ。
悲しみから逃げちゃいかん。
悲しみは人生の一部だ。

恐怖や悲しみを越えるパワーとは。
その答えは、本編をご覧になってくださいね。


2018年8月の記事を再編集しました。