「なぜ私なの?他にいくらでも女性はいるでしょう?」

セシリアは自分の評価を低く見積もっている。

「俺にはお前が必要なんだ」

暴力彼氏は逃げた彼女を取り戻したい。

束縛し追いつめるほど賢くなる女性

君が恐怖で縮み上がる姿が見たい。

だから、サプラーイズ!

「透明人間」リー・ワネル監督2019年

エリザベス・モス、オルディス・ホッジ(画像お借りしました)

 

母娘シネマ会第二弾は「透明人間」

懐かしさを感じるサスペンスに、SFの味つけが新しい。

主役の女優さんの精神的に追い詰められていく顔

透明人間と格闘するアクションが大迫力でした爆  笑

 

ジュリアロバーツの「愛がこわれるとき」に激似!

びっくりしましたよ。

暴力男から逃げ出すため一計を案じるけれど、

居所を知られてしまうサスペンススリラーです。


「ガス燈」「バニーレークは行方不明」と同じく、

精神疾患を疑われる主人公が、

妄想ではないことを証明しようと奮闘し、

袋小路を突破していく姿がみどころです。

後半は「XーMEN」や「アイアンマン」みたいなアクションも銃

どんでん返しが散りばめられて、あっという間の2時間でした爆  笑


 

【感想】

全能の神ゼウスのように支配したい。

科学者エイドリアンは、愛犬にゼウスと名づけている。

富豪の彼は、

彼女の髪型、服装、食事、趣味、すべてを自分好みにしたい。

彼女の思考までも思い通りにしたい。

逃げられないように、外の世界と遮断。

2人の生活を堅固にするために、新しい命がほしい。

 

セシリアは牢獄のような生活から自由になるため脱出する。

知人の警察官宅で匿ってもらうが・・・。

ひとりでに開く玄関。

持ち主のいない白い吐息。

ソファに刻まれる

足跡を浮かび上がらせるシーツ足
失くしたはずの薬瓶はふたたび彼女の前に姿を現す薬

携帯電話の呼び出し音をさぐって屋根裏へスマホ

エイドリアンの訃報をきいても信じられない。

「彼は自殺などしない。私にはわかる。」

「お前のことは俺が一番よくわかっている」

互いに相手の手の内を読み、裏をかく。
敵ので、妹や友人との間に亀裂が。
彼の「サプラーイズ!」がセシリアを震え上がらせ、

精神病院へ隔離される事態へ。

面会室で失敬した万年筆。

何に使うのか⁈

自分の手首へ刃をつきたてた!

次の瞬間、見えない手がセシリアの手首をつかむ。

「やっぱり、来たわね」

セシリアは自分自身を人質にすることで、敵をおびきだす。

 

目的を持つことはいいことよ」

エイドリアンの目的は、プライドを守ること。

セシリアの目的は、恐怖から逃げること。

しかし、自分が動かなければ何も始まらない。

いつしか彼女の目的が変わる。

大切な友人を守るため、逃げることを放棄し立ち向かう。

 

ベーコンエッグが焦げ付いたとき、

消火器で助けてもらった彼女が、消火器を手にする。

郵便ポストまでしか進めなかった広場恐怖症の彼女が、

もっとも恐れる場所へと挑んでいく。

そして、

彼と同じ方法でやり返す。

最後の晩餐は、

寿司じゃなくステーキにしましょう。

サプラーイズ!

 

頭脳戦、アクションをお楽しみくださいね。