夫がベルリオーズ幻想交響曲をかけるとき
彼の本性が露わになる。
他の男を見ただけ話しただけで平手打ち。
暴力を振るったあとは、
埋め合わせるように贈り物をする。
真っ赤なバラと朱色のランジェリー。
妻は3年7ヶ月6日、
地獄のような結婚生活を生き延びた。
ついに自分の死を偽装するチャンスが
やってくる。
先日レビューした「愛が微笑む時」と
対照的な「愛がこわれるとき」
今作の原題は
SLEEPING WITH THE ENEMY
悪い夢をみている(敵と一緒に眠る)
女性の社会進出が目覚ましい時代。
当時、日本では夫のDVから逃れる
妻の駆け込み寺が話題に。
奥さんの物語です。
「プリティウーマン」で
一躍人気スターになったジュリアロバーツ。
彼女がサスペンス映画のヒロインに!
と当時話題になりました。
スリラー作品だけど、
彼女の七変化するファッションが
楽しめますよ💓
大学の演劇部舞台裏で、
小道具を身につける場面がロマンティック。
シルクハット、ピンク薔薇のボンネット、
カウボーイハット、中世のヘッドアクセを
リレー式にかぶっていきますよ(^_-)-☆
感想
怖がっていたら、
いつまでも克服できないぞ。
暴力夫のセリフです。
水が怖くて泳げない妻に向けた言葉ですが、
妻は夫の存在を克服したいと
考えるようになります。
夫マーティンが妻ローラを連れて洗面所へ。
かけてある3枚のタオルを
じっとのぞきこむ。
あわててタオルの柄をそろえるように
整頓するローラ。
整理整頓、清潔でないと
夫は居ても立っても居られない。
彼にとっての完璧が、
常にピリピリ緊張する奥さん。
海のそばの家で外出制限をする。
人影はなく、カモメが舞うだけの風景。
しかし、
しかし、
ある日、泳げない彼女をヨットに連れ出す夫と知人。
嵐がやってきた。
ヨットの帆に気をとられている隙に
彼女は消える。
彼女の救命胴衣が発見され、
別の町で人生を再スタートさせていた。
温かみのある花柄の壁紙、
カントリー調のキッチン。
窓際に紫色のポインセチアの鉢植えを飾り、
以前住んでいた家は
白と黒のモノトーンで統一された
スタイリッシュな住まいだった。
彼女が求める家ではなかった事が
そろえそうになる手をとめる。
わざとタオルを乱雑にして
微笑む。
水泳教室に通った甲斐があった。
自由が手に入った。
たくさんの人が行きかう町のにぎわいが嬉しい。
大学講師の彼は、料理を失敗しても気にしない。
「ウェストサイド物語」を歌い踊るきどらない人。
彼女の意志を尊重し、
一本の電話が
敵を眠りから覚ます。
泳ぎが上手かったって??
恐ろしいですねぇ。
夫が追いかけてくる。
彼女には一つ弱点があった。
この場面、ドキドキハラハラしますよ。
ウォータークーラーで水を飲むローラ。
その背後に、夫が!!
気づく?気づかない?
ベルリオーズ幻想交響曲が流れだす。
タオルの柄がそろっている!
キッチン戸棚をあけると・・・
整頓されることが、
これほど恐ろしいなんて!!
完璧って、息が詰まる・・・
この結末は、いかに。
おびえるジュリア・ロバーツの
チャーミングな演技が楽しかったです。