走れメロスのように、山をのぼり丘を越え森を抜け、遠くの村に住む友だちを目指す。
「僕のせいで明日友だちが退学になってしまう」
間違って持って帰ったノートを返すために、ジグザグ道を駆けあがり下り、何度もたずねる。
「友だちのうちはどこ?」 アッバス・キアロスタミ監督 1987年
ババク・アハマッドプール、アハマッド・アハマッドプール
(画像お借りしました)

娘の尊敬するキアロスタミ監督。
「桜桃の味」は、自殺ほう助者をさがす男の物語。
主人公の心が誰のどんな言葉に動かされるのか、見どころです。感想⇒こちら
その映画にも出てきたジグザグ道
今作にも登場するんですねぇ(*^-^*)
人生を表すジグザグ道上がったり下りたりする少年を描いた作品です。


【あらすじ】
間違って友だちのノートを持ち帰った8歳のアハマッド。
宿題をしようと鞄から取り出し、ノートが2冊あることに気づく。
今日も、友だちは先生にこっぴどく叱られ泣いていた。
明日宿題をノートに書かなければ退学になってしまう。
僕のせいで。
遠くの知らない村へ、友だちの名を呼びながら、扉をたたいて回る。



【感想】

同じことを3回言われても聞かない子には、
4回目は言葉じゃなくて躾ける

アハマッドくんのお爺ちゃんの言葉。


お爺ちゃんの友人は訊ねます。
「じゃあ、何も悪いことをしない子にはどう躾けるんだ?」

何か悪いところを見つけるのさ。
4回に1度は叩くんだ。それが躾けってもんだ。
僕らもそうやって、親に厳しく育てられたんだから。
子や孫にも同じやり方をするまでさ」

アハマッドくんは、友人に迷惑をかけたくないと必死に訴える。
しかし、お母さんもお爺ちゃんも耳を貸さない。
「宿題をおやり」の一点張り。
大人の言うことは、絶対だ。

理由がどうあれ、素直にきくのが子供の仕事・・・というルール。

育児で疲れきっているお母さん、
病気で気力のないお年寄り、
お金の工面のことで頭がいっぱいの大人。
同級生は親の手伝いに忙しい。

それぞれ自分のことで手一杯
他人に気をとめる余裕がありません。

一人でなんとかしなくちゃいけない。


「村は広いんだよ。どの区の子どもだい?」
「わからない」

わずかなヒントを頼りに
「青い扉、階段がある家」を目指し、細くて急な路地をたずねあるく。


あの子のズボンに似てる!ひょっとして。

なんども落胆する。



ジグザグ道、日が暮れて・・・



困った、困った。

迷って悩んで、心細い顔になる。

親切なおじいさんが案内してくれるという。
このおじいさんとの会話が、しみますよ。切ない気持ちになります。
「わしが一生懸命作った扉を、皆は鉄の扉に変える。丈夫で長持ちするからだって。
そんなに人生って長いんだろうかねぇ。」

やがて、一軒の家にたどりつくが、その場所は。。

少年はおじいさんに気づかれないよう、ベストの中へノートをす。
幼い彼なりの精いっぱいの思いやり

このでは、ノートをちぎる人もいれば、

花をくれる人もいる。

人生って、いろいろあるなぁ。

話のわかる大人ばかりでないからこそ、
自分自身でう~~んと考え、
五感を働かせ進んでいく。

アハマッドくん、粘ります(*^-^*)

理不尽なことを通して、たくましく成長していくんだなぁ。


翌朝になった。

 
彼はどうするのか?

つづきは、本編をご覧くださいね。